| セッション情報 |
ワークショップ6(肝臓学会・消化器病学会合同)
全身疾患における肝病変
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| タイトル |
肝W6-9：透析患者におけるHCV感染症例の検討
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| 演者 |
世古口 悟（京都第一赤十字病院・消化器科） |
| 共同演者 |
中村 英樹（京都第一赤十字病院・消化器科）, 木村 浩之（京都第一赤十字病院・消化器科） |
| 抄録 |
【目的】透析患者のうちHCV陽性症例の臨床的特徴に関して検討を行った。【方法】2001年から現在までに入院加療を行った透析患者1487例を対象とした。【成績】透析患者の平均年齢は66.6歳（16歳～96歳）、男性912例、女性575例であった。肝疾患合併例は75例あり、HCV抗体陽性61例（全透析症例の4.1%）、HBs抗原陽性3例、アルコール性肝障害5例、原因不明6例であった。HCV抗体陽性61例の平均年齢は63.9歳（42歳～88歳）、男性47例、女性14例で、平均AST33IU/l、ALT24IU/l、T-bil0.6mg/dl、Alb3.4g/dl、PT82.5%、PLT12.7×104/μl、フェリチン238.4ng/ml、Child-Pugh分類はA：29例、B：23例、C：9例であった。HCV抗体陽性例で透析導入日が明らかな57例のうち、1990年以前の導入症例：29例、以後の導入症例：28例で、透析期間が20年以上の症例：26例、20年未満の症例：31例であった。HCV抗体陽性例のうち肝細胞癌を発症した症例は28例（45.9%）であったが、腫瘍を指摘されHCV検査を行った症例も含まれる。肝細胞癌のstageはI：3例、II：9例、III：8例、IVA：1例、不明7例、発症時平均AST39IU/l、ALT32IU/l、T-bil0.4mg/dl、Alb3.7g/dl、PT87.3%、PLT13.3×104/μl、AFP358.1ng/ml、PIVKAII4732.2mAU/ml、Child-Pugh分類はA：14例、B：12例、不明2例であった。肝細胞癌発症例28例のうちALT30IU/l以下：17例（60.7%）、20IU/l以下：13例（46.4%）、肝細胞癌非発症例33例のうちALT30IU/l以下：31例（93.9%）、20IU/l以下：23例（69.7%）であった。肝細胞癌症例の初回治療は手術5例、TACE18例、RFA2例、PEIT3例で、平均生存期間は1917日（13日～9025日）、5年生存率36%（stageI～II： 47.1%、III～IVA： 12.5%）であった。【結論】透析患者は健常人と比較して、HCV抗体陽性率が高いが、ALTは基準値内にあった。発癌症例では非発癌症例に比べALTが高い傾向にあるため、ALTの基準値を健常人より低めに設定しIFNを含めた治療を検討する必要がある。肝細胞癌症例に対しては、適切な治療を行えば一定の効果が得られるものと思われる。。 |
| 索引用語 |
透析, HCV感染 |
