セッション情報 |
ワークショップ6(肝臓学会・消化器病学会合同)
全身疾患における肝病変
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タイトル |
肝W6-10:肥満・生活習慣病と肝疾患の病態進展ーB型慢性肝疾患を中心にー
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演者 |
中島 知明(札幌厚生病院・3消化器科(肝臓科)) |
共同演者 |
小関 至(札幌厚生病院・3消化器科(肝臓科)), 豊田 成司(札幌厚生病院・3消化器科(肝臓科)) |
抄録 |
【背景と目的】C型あるいは非B非C (NBNC) 肝疾患では肥満や糖尿病などの生活習慣病が病態の進展に関与することが報告されているが、B型慢性肝疾患ではその関与は明らかではない。当院でフォローしているB型慢性肝疾患と肥満や糖尿病・高血圧症の合併率を病態別に検討し、B型肝硬変例においては、C型、アルコール、NBNC例とBMI値についての比較を試みた。【対象と方法】1) B型慢性肝疾患403例 (慢性肝炎 (CH ) 264例―男性213例 (81%)、平均年齢51歳、発癌既往 44例 (17%)、肝硬変 (LC) 139例―男性110例 (79%)、平均年齢59歳、発癌既往51例 (37%) )を、CHとLC別に、BMI (kg/m2 以下単位略)、年齢、性別、糖尿病・高血圧症の有無などの宿主因子と、血液生化学検査値などのウイルス因子において比較検討を行った。但し、LC例ではChild-Pugh score10点以上の症例は除外した。2) 前述のB型LC139例とC型LC276例 (男性161例 (58%)、平均年齢67歳、発癌既往205例 (74%) )・アルコール性LC158例 (男性141例 (89%)、平均年齢61歳、発癌既往56例 (35%))・NBNC-LC 71例 (男性34例 (48%)、平均年齢68歳、発癌既往32例 (45%))と、BMI値の比較を行った。【成績】1) CHとLCの平均BMIは22.8 vs 24.1 (p<0.001)と、LCで有意に高かった。BMIで23、25、28以上の割合は、CH vs LCで、それぞれ、45.1% vs 63.3% (p<0.001)、22.0% vs 37.4% (p=0.002)、6.4% vs 13.7% (p=0.028)とLCで有意に高値を示した。高血圧合併はCHとLCで、それぞれ、16.7% vs 15.8% (p=0.829)、糖尿病合併は7.6% vs 25.2% (p<0.001)であった。2) LCのBMIの平均値はB、C、NBNC、アルコール性で、それぞれ、24.1、24.6、26.2、23.7であった。【結論】B-LC例ではCH例と比較して肥満と糖尿病の合併の割合が高く、これらの因子がB型慢性肝疾患の病態進展に関与する可能性がcross-sectional studyではあるが示唆された。病態別のLC例におけるBMI値の検討では、NBNC例で最も高値を示した。 |
索引用語 |
B型慢性肝疾患, 肥満 |