セッション情報 一般演題

タイトル 276:

骨転移を契機に診断されたGISTの多発転移の一例

演者 村尾 哲哉(熊本大学 大学院 消化器内科学)
共同演者 櫻井 宏一(熊本大学 大学院 消化器内科学), 伊藤 清治(熊本大学 大学院 消化器内科学), 上村 克哉(熊本大学 大学院 消化器内科学), 寺崎 久泰(熊本大学 大学院 消化器内科学), 吉松 眞一(熊本大学 大学院 消化器内科学), 前田 誠士(熊本大学 大学院 消化器内科学), 藤山 重俊(熊本大学 大学院 消化器内科学), 佐々木 裕(熊本大学 大学院 消化器内科学), 薬師寺 俊剛(熊本大学 大学院 整形外科学)
抄録 骨転移を契機に診断されたGISTの多発転移の一例1)熊本大学大学院消化器内科学 2) 整形外科学村尾哲哉、櫻井宏一、伊藤清治、上村克哉、寺崎久泰,吉松眞一,前田誠士,藤山重俊、佐々木裕1)  薬師寺俊剛2) 症例は53歳女性。既往歴として昭和58年(33歳時)に胃潰瘍。家族歴として父・妹に胃癌がある。近医にて検診目的でGF施行された際,胃窮隆部後壁に粘膜下腫瘍を指摘されその後定期的に検査されていた。増大傾向認めた(5cm大)ため,平成9年(47歳時)別医紹介され胃粘膜下腫瘍に対し部分切除術施行される。切除標本の大きさは5.0×4.0×3.0cm,切除組織はleiomyosarcomaであった。その後年1回GF,CTで精査され再発は認めなかった。H14年より左大腿部痛が時折出現、H15年3月近医受診、レントゲン上左大腿骨の骨腫瘍疑われ当院整形外科紹介。病変部biopsyの結果GISTの骨転移の診断で消化器内科紹介となる。平成9年に手術された標本を再検,免疫染色を行った結果,CD117/c-kit陽性であり,原発巣として矛盾しないと思われた。転科後全身のmeta検索目的で骨シンチ、CT、腹部エコー,Gaシンチ施行。胃内には再発病変を認めなかったが,骨盤部CTにて左大腿骨,胸椎TH12椎体,腰椎L3左横突起,左腸骨に骨病変認め,また骨シンチでも同部位に集積を認めた。腹部CT及び腹部エコーでは肝s5に8mm大のmassを認めた。肝のmassはbiopsyにて骨病変と同様GISTのmetaと診断された。多発転移であったため治療としては化学療法としてメシル酸イマニチブの内服(1日400mg)を行った。5/6より内服開始し現在も続行中である。外来にて定期的にfollow中であるが病変の進展,新たな転移は現在の所見られず,また副作用も見られていない。GISTの転移例としては多くが腹膜,あるいは肝転移であり骨転移を来す例は稀である。 今回我々は骨転移を契機としてGISTの多発転移と診断された一例を経験したので若干の文献的考察をふまえ報告する。
索引用語 GIST, 多発転移