セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 60:腸管子宮内膜症の2例 |
演者 | 遠藤 出(香川県立中央病院 内科) |
共同演者 | 稲葉 知己(香川県立中央病院 内科), 和唐 正樹(香川県立中央病院 内科), 高口 浩一(香川県立中央病院 内科), 喜田 恵治(香川県立中央病院 内科), 河合 公三(香川県立中央病院 内科), 鈴鹿 伊智雄(香川県立中央病院 外科), 佐藤 敦彦(香川県済生会病院 内科) |
抄録 | 腸管子宮内膜症は,子宮内膜組織が異所性に腸管の漿膜側から発生増殖し,管腔側に浸潤してくる比較的稀な疾患である。今回,消化管狭窄症状が強く,外科手術を施行した2例について報告する。【症例1】34歳女性。主訴は排便困難(腸閉塞)。数年来不妊治療を受けており、月経時に増悪する下腹部痛と腹部膨満感を自覚していた。平成15年6月,同症状著しく、腸閉塞との診断にて香川県済生会病院入院。下部消化管内視鏡検査上、直腸S状結腸部に高度の狭窄を認め,内視鏡の通過不可であった。同部の生検病理診断では,悪性所見なく,子宮内膜組織は得られず。子宮内膜症による直腸狭窄が疑われ、経肛門的イレウス管挿入後,当院紹介入院。腸閉塞症状も強度であったため,7月15日,低位前方切除術(D0)施行した。術中所見としては鵞卵大の腫瘍が上部直腸漿膜内へ嵌入している像を認めた。最終病理診断はと子宮内膜症で,子宮内膜組織が漿膜側から筋層まで浸潤し,尿管周囲の組織にも浸潤を認めた。【症例2】29歳女性。主訴は腹痛、粘血便。平成7年より月経時痛の増強を認め,平成9年4月,月経時の腹痛,粘血便、排便困難とを主訴に他院受診し,子宮内膜症と診断され,平成11月7月より,平成13年6月までに7ヶ月間,8ヶ月間のダナゾール投与を行われるも症状軽快せず。平成15年7月,香川県立中央病院婦人科紹介受診。排便困難は増強し、月経時には,粘血下痢便となっていた。下部消化管内視鏡検査施行し,直腸S状結腸部からS状結腸にかけて,わずかに出血を伴うなだらかな隆起性病変を認めた。同部の生検病理診断では,悪性所見なく,子宮内膜組織は得られず。超音波内視鏡検査では,子宮内膜症の消化管浸潤と診断。8月27日,低位前方切除術(D0)を施行した。術中所見としては上部直腸と子宮とに強度に癒着した腫瘤を認め、周囲漿膜には炎症所見を伴っていた。最終病理診断は子宮内膜症で,病変は漿膜側より粘膜直下まで及んでいた。 |
索引用語 | 子宮内膜症, 腸管 |