セッション情報 一般演題

タイトル 55:

CTガイド下経皮経胃的ドレナージ術を行った膵仮性嚢胞5症例

演者 中津 守人(三豊総合病院 内科)
共同演者 豊川 達也(三豊総合病院 内科), 洲脇 謹一郎(三豊総合病院 内科), 名和 徹(三豊総合病院 内科), 石川 茂直(三豊総合病院 内科), 大西 亨(三豊総合病院 内科), 大原 昌樹(三豊総合病院 内科), 安東 正晴(三豊総合病院 内科), 廣畑 衛(三豊総合病院 内科)
抄録 CTガイド下経皮経胃的ドレナージ術を膵仮性嚢胞5症例に施行した。年齢は46歳~77歳(平均63歳)。男性2名、女性3名。原因は慢性膵炎3例、重症膵炎後晩期合併症1例、原因不明1例。嚢胞の部位は体部1例、尾部4例。仮性嚢胞に伴う合併症は、脾動脈瘤の嚢胞内出血1例、膵膿瘍1例であった。ドレナージの手技に伴う合併症はなかった。治療後の経過は、胃後壁の瘻孔の拡張がうまく行えず再発したものが1例であり、再度ドレナージ術を行った。1例はドレナージチューブ抜去後瘻孔が完成されておらず膵液瘻を形成し、外科的手術を行った。他の3症例については再発なく経過良好である。2症例を呈示する。症例1は46歳男性。アルコール多飲による慢性膵炎で、膵尾部に膵仮性嚢胞と左横隔膜下膿瘍を併発。保存的に経過をみたが、縮小傾向なく、腹痛が続くため、CTガイド下に経皮経胃的膵仮性嚢胞ドレナージ術と経皮的左横隔膜下膿瘍ドレナージ術を施行した。その後、脾動脈瘤の嚢胞内出血を併発し、血管造影下にコイルにて止血した。胃後壁の瘻孔をバルーンにて拡張し、ドレナージチューブ抜去したが、膵嚢胞が再発し、再度ドレナージ術を行った。その後、ドレナージチューブを胃内に留置し、内瘻化とした。症例2は77歳女性。重症膵炎を発症。動注療法、腹膜灌流を施行し救命したが、晩期合併症として膵仮性嚢胞を併発した。8週間経過をみたが、嚢胞は縮小傾向なく、むしろ増大。熱発が続き感染が疑われたため、経皮経胃的ドレナージ術を施行した。ドレナージチューブは37日間留置後抜去した。現在、約4ヶ月半になるが、再発なく経過良好である。    CTガイド下経皮経胃的膵仮性嚢胞ドレナージ術は、超音波下穿刺に比較し、消化管ガスなどに邪魔されず正確に穿刺することが可能であり、胃を通すことにより、難治性の膵皮膚瘻の発生が防げ、また、比較的安全に施行でき、外科的手術を考慮する前に一度試みるべき処置であると考えた。
索引用語 膵仮性嚢胞, 膵嚢胞ドレナージ