セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 13:リファンピシンが著効した良性反復性肝内胆汁うっ滞症の一例 |
演者 | 渡部 天彦(鳥取大学 医学部 機能病態内科学) |
共同演者 | 法正 恵子(鳥取大学 医学部 機能病態内科学), 植木 賢(鳥取大学 医学部 機能病態内科学), 前田 佳子(鳥取大学 医学部 機能病態内科学), 三村 憲一(鳥取大学 医学部 機能病態内科学), 岡本 欣也(鳥取大学 医学部 機能病態内科学), 松永 佳子(鳥取大学 医学部 機能病態内科学), 川上 万里(鳥取大学 医学部 機能病態内科学), 岡野 淳一(鳥取大学 医学部 機能病態内科学), 前田 直人(鳥取大学 医学部 機能病態内科学), 孝田 雅彦(鳥取大学 医学部 機能病態内科学), 村脇 義和(鳥取大学 医学部 機能病態内科学), 周防 武昭(鳥取大学 医学部 病態検査学) |
抄録 | 良性反復性肝内胆汁うっ滞症(BRIC)は間欠的に皮膚掻痒と黄疸発作を繰り返すが、肝硬変に進展しない予後良好な疾患である。黄疸期は数ヶ月続くが、これに対する有効な治療法がない。一方リファンピシンは胆汁うっ滞に伴う掻痒の改善に利用されているが、最近BRICの黄疸発作に著効したことが報告されている。今回、我々はBRICの一例にリファンピシンを投与し、黄疸期の短縮に著明な効果が得られたので報告する。 [症例]24歳、男性。生後3ヶ月、6ヶ月に黄疸が出現し、開腹手術を受けたが異常はなかった。その後しばらく黄疸は出現しなかったが、15歳時に黄疸が出現し、諸検査から薬剤性、ウイルス性肝障害は否定され、肝生検組織像では胆汁うっ滞と軽度の線維化を認めた。病歴と諸検査からBRICと診断し、UDCA、ステロイド、フェノバール等投与したが効果はなく、ビリルビンは30mg/dlまで上昇し、約9ヶ月黄疸が続いた。その後、18歳、19歳に黄疸発作が出現し、ビリルビンは20~30mg/dlまで上昇し、各々9ヶ月間、6ヶ月間続いた。H15年4月(24歳)黄疸、皮膚掻痒感が出現した為入院した。ビリルビンは3.6 mg/dlから10.1 mg/dlと上昇したが、リファンピシン450 mg/日投与開始したところ、ビリルビンは徐々に低下し正常化した。 本症例は肝硬変には進行しないものの、高度な黄疸のために強い掻痒や不眠に悩まされるが、治療に難渋し、血漿交換や、肝移植を施行された症例もある。今回リファンピシンが著効した症例を経験したので、治療の選択肢として有用と考えられ報告した。 |
索引用語 | 良性反復性肝内胆汁うっ滞症, リファンピシン |