セッション情報 ワークショップ11(消化器内視鏡学会・消化器病学会・消化器外科学会合同)

下部消化管疾患に対する拡大内視鏡の最前線

タイトル 内W11-2:

NICE分類と広島分類を用いた大腸NBI観察所見に関する検討

演者 田丸 弓弦(広島市立安佐市民病院・内科)
共同演者 永田 信二(広島市立安佐市民病院・内視鏡科), 鴫田 賢次郎(広島市立安佐市民病院・内科)
抄録 【目的】NICE分類と広島分類を用いた大腸NBI観察所見に関して検討する。【対象と方法】対象はNBIとpit pattern観察を施行した大腸腫瘍性病変2375病変(過形成性ポリープ(HP)/腺腫(A)2033病変,M癌273病変,SM-s癌15病変,SM-m癌54病変)。HP/A~SM-s癌:内視鏡治療,SM-m癌:外科治療の適応とした。検討1:NICE分類は,色調,微小血管構築,表面模様によりType 1~3に分類し,組織型・深達度と治療法選択について検討した。検討2:NICE分類Type 2についてNBI拡大観察を行い診断率と誤診症例について検討した。NBI分類は広島分類に準じ,A~C1が内視鏡治療,C3は外科治療の指標とした。【結果】検討1:Type 1:207例(HP/A 202例,M癌4例,SM-m癌1例),Type 2:2141例(HP/A 1831例,M癌269例,SM-s癌15例,SM-m癌26例),Type 3:27例(全例SM-m癌)であった。Type 1の99.5%で~SM-s癌,Type 3の100%でSM-m癌,Type 2では幅広い病変を認めた。検討2:診断率はB:98.2%,C1:95.5%で,C2:M~SM-m癌までの幅広い病変を認めた。C2にpit pattern併用では,C2かつnon-VまたはVI-L:87.5%,C2かつVI-H:87.5%,C2かつVN:100%であり,診断率は88%であった。検討1,2において誤診した症例は14例(観察困難な隆起性病変5例,LST-G結節混在型3例,serrated adenoma由来1例,PD2例,観察不十分2例,形態変化1例)で浅読み12例,深読み2例であった。【結語】NICE分類Type 1では内視鏡治療,Type 3では外科治療の指標と考えられた。Type 2では,HP/A~SM-m癌まで幅広い病変を認めたため,NBIとpit pattern拡大観察併用の必要性があると考えられた。さらにその中でも術前に診断できない症例が存在し,その他のmodalityも併用し深達度診断する必要があると考えられた。
索引用語 NICE分類, 広島分類