セッション情報 |
ワークショップ11(消化器内視鏡学会・消化器病学会・消化器外科学会合同)
下部消化管疾患に対する拡大内視鏡の最前線
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タイトル |
内W11-6:大腸病変のNBI拡大観察によるvascular patternおよびsurface patternの深達度診断能の評価
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演者 |
和田 祥城(昭和大横浜市北部病院・消化器センター) |
共同演者 |
工藤 進英(昭和大横浜市北部病院・消化器センター), 三澤 将史(昭和大横浜市北部病院・消化器センター) |
抄録 |
【目的】大腸病変においてnarrow band imaging(NBI)拡大観察の質的・深達度診断に対する有用性および、早期大腸癌におけるsurface patternの深達度診断に対する有用性について検討を行った。【方法】2006年1月から2010年12月までNBIおよび色素拡大観察を行い、切除された5852病変。内訳は過形成性ポリープ194病変、腺腫4437病変、早期癌(M~SM微小浸潤癌[SMs])974病変、SM深部浸潤癌(SMm) 247病変であった。NBI拡大所見をnormal, faint, network, dense, irregular, sparseに分類し、pit pattern、病理組織と比較検討を行った。Surface pattern は、本検討では便宜上、白い縁取りが明瞭に観察される、もしくは比較的均一な粘膜模様を呈するI型、表面構造を明瞭に観察できない、もしくは均一でない粘膜模様を呈するII型、表面構造や粘膜模様を観察できない、またはほとんど認識できないIII型とした。各病変のsurface patternを評価し、深達度および肉眼型別の診断能について検討した。【結果】早期癌において、irregular/sparseをSMmの指標とした場合、感度/特異度は91.1%/98.2%であった。一方でVi高度不整およびVnをSMmの指標とした場合、感度/特異度は88.1%/99.6%であった。また、surface patternについて、M-SMsではI型が61.7%、II型が30.2%、III型が8.1%であった。SMmでは順に7.4%、35.2%、57.4%であった。M-SMsの病変において、陥凹型病変の66.7%、LST-NG(PD)の75% はsurface pattern III型を呈しており、これらの病変ではsurface patternによる診断は困難と考えられた。色素拡大観察ではいずれの病変もIIIsもしくはVI型軽度不整pit patternを呈する病変であった。【結論】Surface patternは、陥凹型病変やLST-NG(PD)の深達度診断に対しては有用でない病変が多かった。NBI拡大観察はSMmの診断に比較的有用であったが、診断能に関しては色素拡大観察の方が特異度が高かった。陥凹型病変の診断や治療方針の決定にはpit pattern観察が必須であると考えられた。 |
索引用語 |
NBI, surface pattern |