セッション情報 ワークショップ11(消化器内視鏡学会・消化器病学会・消化器外科学会合同)

下部消化管疾患に対する拡大内視鏡の最前線

タイトル 内W11-12:

NBI拡大画像を用いたVn領域のSurface pattern―腺窩上皮の領域分割

演者 澤谷 学(弘前大大学院・消化器血液内科学)
共同演者 佐々木 賀広(弘前大附属病院・医療情報部), 福田 眞作(弘前大大学院・消化器血液内科学)
抄録 【目的】 NBI拡大観察の有用性の一つは、通常拡大観察では可視化できなかった腺窩上皮を描出できることである。しかしながら、通常のNBI拡大観察では、腺窩上皮の描出感度が低く、Vn領域の判定には染色法によるpit patternの評価が必須とされてきた。研究の目的は、腺窩上皮を高感度で領域分割する画像解析手法を開発し、Vn領域におけるSurface patternを調べることである。【方法】拡大染色法によりVnと判定された大腸癌4病変の、NBI拡大観察画像を用いた。NBI画像の緑フレーム(図A)から、フーリエ変換により高周波ノイズを除去すると、腺窩上皮が明瞭に視認された(図B)。この画像にラプラス変換を施すことにより、腺窩上皮を領域分割した(図C)。Vn領域と、周囲の背景粘膜に関心領域を設定し、関心領域に占める腺窩上皮領域の割合(%)を計算した。【成績】 Vn領域における腺窩上皮領域は6.7±4.0% であるのに対し、背景では20.3±4.6%であることが分かった。【結論】 NBI拡大観察画像を用いて、腺窩上皮を領域分割する画像解析手法を提示した。Vn領域では腺窩上皮が著しく減少することが予想された。今後、撮影条件(拡大倍率・構造強調)の標準化、ならびに染色法との対比研究が必要である。
索引用語 大腸癌, NBI