セッション情報 |
ワークショップ11(消化器内視鏡学会・消化器病学会・消化器外科学会合同)
下部消化管疾患に対する拡大内視鏡の最前線
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タイトル |
消W11-14:潰瘍性大腸炎における色素拡大内視鏡・NBI拡大内視鏡観察―活動性や再発との関連性―
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演者 |
植原 亮平(長崎大・消化器内科) |
共同演者 |
磯本 一(長崎大・消化器内科DELIMITER長崎大・光学医療診療部), 中尾 一彦(長崎大・消化器内科) |
抄録 |
【目的】潰瘍性大腸炎(UC)患者に対し、色素拡大内視鏡・NBI拡大内視鏡観察を行い、活動性の指標や再発との関連性を検討する。【方法】軽症から中等症の潰瘍性大腸炎21例を対象とした。全例Matts2以下であった。NBI拡大内視鏡及びクリスタルバイオレット(CV)染色による色素拡大内視鏡を施行した。NBI拡大観察による微小血管像・CV色素拡大観察による腺管構造の異常所見を調べ、背景因子・病期・病型・臨床経過の分類や再発(1年以内)との関連性について検討を加えた。11例においてオリンパス社エンドサイトを用いてCVとメチレンブルー併用染色により超微細構造観察を行った。【結果】NBI拡大観察では、ネットワークパターンの不明瞭化・捩れ・微小血管の拡張・リンパ濾胞増生などの所見を81%(13/16)に認めた。病期・病型・臨床経過・再発との相関性はなく、NBI拡大異常所見はUCに普遍的に認められた。CV色素拡大観察では、活動期には、腺管配列の不規則性(100%)、ピット間開大(100%)、ピット拡張(91%)、ピットの消失(63%)や不整(45%)を高頻度に認めたが、緩解期には、それぞれ10%、20%、30%、10%、30%と少なかった。また、1年以内に再発のみられた8例では、配列の不規則性とピット間の開大は全例で、ピットの拡張は88%、腺管の消失は80%、不整ピットは50%に認められた。腺管異常所見は超拡大観察でも確認され、特に拡張したピット内に(炎症)細胞浸潤像がみられた場合(4例、全て1年以内の再発あり)、強度の粘膜炎症とcrypt abscessの病理組織学的所見が認められ、活動性の高さを反映していた。CV色素拡大所見と、臨床背景、病型や臨床経過との明らかな連関はなかった。【結語】UCに対する色素(超)拡大観察による表面構造の異常所見は、NBI拡大観察に比べ、より活動性を反映し、再発の予測をも可能にすることが示唆された。 |
索引用語 |
潰瘍性大腸炎, 色素拡大内視鏡 |