セッション情報 |
ワークショップ12(肝臓学会・消化器病学会・消化器外科学会合同)
肝癌局所制御の標準化
|
タイトル |
肝W12-6:肝癌RFA後局所再発に関する検討
|
演者 |
玉城 信治(武蔵野赤十字病院・消化器科) |
共同演者 |
安井 豊(武蔵野赤十字病院・消化器科), 泉 並木(武蔵野赤十字病院・消化器科) |
抄録 |
【目的】肝細胞癌(HCC)に対するRFA後、一定の頻度で局所再発を認める。そこで、肝癌RFA後、局所再発に関与する因子について検討した。【方法】2008年3月以降に、初発HCCに対して病理学的に診断され、RFAを施行した110例を対象とした。術前の因子より局所再発に寄与する因子を検討した。再発に関しては治療痕に接する再発を局所再発と定義し、その他同区域再発、多部位再発と分類して検討を行った。【結果】対象患者の平均年齢:70.1±8.0歳、男性/女性:68/42人、背景肝疾患:HCV/HBV/NBNC/アルコール:86/10/5/9人であった。全例、ミラノ基準内の初発HCCであり、HCCに対してRFAを施行し、CRとなった。RFA後の平均観察期間は360日であり、53例に再発を認めた。再発の内訳は局所再発/同区域再発/多部位再発:20/9/24例であった。病理学的診断は高分化型/中分化型/低分化型:60/46/4例であった。HCCの分化度と全体の再発および局所再発とは関連を認めなかった。腫瘍径、腫瘍数と再発の関連も認めなかった。MCDT動脈優位相での検討を行うと、非多血性HCCの検討では局所再発は認めず、同区域再発4%(1例)のみであり、また多部位再発20%であったのに対し、多血性HCCでは局所再発20%、同区域再発9%、多部位再発20%であった。MCDT動脈優位相多血性HCCにおいて、再発率および局所再発率ともに非多血性HCCと比較し優位に高値であった(p<0.01)。術前の腫瘍マーカーを検討すると、AFP:100ng/ml以上、L3分画:10%以上の群において累積局所再発率が有意に高値であり(p<0.01)、PIVKA-IIは関連を認めなかった。【結語】MCDT動脈優位相非多血性HCCに対するRFAでは局所再発を認めず、同区域再発も低値であることからRFAによって十分局所コントロール可能であると考えられた。また多血性HCCおよび、腫瘍マーカー高値の症例において局所再発率が高値であることから、これらの症例では手術などの根治的治療を考慮すべきであると考えられた。 |
索引用語 |
肝細胞癌, RFA |