セッション情報 |
ワークショップ12(肝臓学会・消化器病学会・消化器外科学会合同)
肝癌局所制御の標準化
|
タイトル |
肝W12-8:当科におけるRFAの局所制御と安全性に関する対策と工夫
|
演者 |
高木 慎太郎(広島大・消化器・代謝内科) |
共同演者 |
相方 浩(広島大・消化器・代謝内科), 茶山 一彰(広島大・消化器・代謝内科) |
抄録 |
【はじめに】肝癌に対するRFAの局所再発は、焼灼部の近傍に多発再発、肉腫様変化、門脈腫瘍栓で再発する場合もある。そのためRFAの際にTACEやPEIを追加する場合もある。一方で、脈菅損傷や他臓器への影響を考慮し人工胸腹水などを併用し安全に施行する工夫もなされる。【目的】当院におけるHCCに対するRFAのRFA導入後から現在に至るまでの治療としての安全性と十分な局所制御が得られているかを検証する。【対象と方法】2001年1月以後当科において経皮的にRFAを施行した335症例について2001年1月から2002年6月までの導入初期53結節(前期)と導入後安定した手技が行えるようになった2002年7月から2006年2月までの中期142結節、直近5年間の2006年4月~2011年2月までの後期肝癌141結節の3期にわけ、再発率と合併症の発生について検討した。次に後期症例において、結節の存在部位とRFAの適応や手技について検討した。1結節あたりの平均セッション回数は1.57回。結節の腫瘍径中央値18 (9-35) mm、観察期間中央値4.5年。RFAはCool-tip RF システムを使用。【結果】前期、中期、後期各々の局所再発率は各々5例( 9.4%) 4例(2.8 %)3例(2.1%)であり徐々に減少する傾向にあった。前期での局所再発例では,門脈腫瘍栓の形態で再発した例が2例あった。合併症の発生は5例( 9.4%)、5例(3.5%) 2例(1.4%)と減少の傾向にあった。主な合併症は、肝不全、肝梗塞、biloma、胆道出血であった。次に後期の症例でのHCCの存在部位はS 8:45結節(35%) S7: 20 結節(14%) S6:24結節(17%) S5: 25結節(18%) S4: 11結節(8%) S3:2結節(1%) S2:10結節(8%) S1:4結節(3%)と肝外側区域の結節より右葉に存在する結節でRFAが選択される症例が多かった。人工腹水は61結節で作成。US画面を反転し左上方より穿刺したのは66結節であった。【考案と結語】当科におけるRFAは、適応評価や治療手技の工夫により導入後より現在までに局所再発率、合併症発生率ともに改善を来たしていると考えられ、HCCの局所治療における重要な治療optionであると思われる。 |
索引用語 |
肝細胞癌, RFA |