セッション情報 |
ワークショップ13(消化器病学会・消化器内視鏡学会・肝臓学会・消化器外科学会・消化器がん検診学会・消化吸収学会合同)
高齢者における消化器疾患の診断と治療
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タイトル |
内W13-3:高齢被験者が多い施設における大腸内視鏡検査とAdvanced neoplasia
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演者 |
三枝 直人(三鷹中央病院・外科) |
共同演者 |
山瀬 博史(三鷹中央病院・外科), 吉田 正一(三鷹中央病院・外科) |
抄録 |
【目的】高齢者に対する全大腸内視鏡検査の施行可能性と意義について検討する。【方法】2005年6月より2010年10月までに経口前処置後に同検査施行2218例の初回結果を、65歳未満の非高齢者(A群)・65歳以上84歳以下の高齢者(B群)・85歳以上の超高齢者(C群)の3群に分けて以下の項目、Advanced neoplasia(AVN)保有者とAVNの局在を検討した。同一患者に複数病変がある際は最も進行度が高い近位の1つだけを採った.鎮痛鎮静法は塩酸ペチジンないしジアゼパムの静注で、末梢血中酸素飽和度で85%を目処に酸素を投与した。盲腸から下行結腸までを近位大腸とした。【成績】A群・B群・C群における各数値は以下の如くであった。なお、§はA群に比し有意差あり(p>0.05)、§§はB群に比し有意差あり(p>0.05)を示す。症例数(男:女)は708 (429 : 279)・1161 (581 : 580)・349 (112 : 237)、平均年齢(歳)は55.0・74.7・88.9、鎮痛鎮静法(人)は354 (50.0%)・556 (47.9%)§・119 (34.1%)§§、酸素投与(人)は6 (1.7%)・23(4.1%)・11(9.2%)§§、盲腸到達(人)は662 (93.5%)・1057 (91.0%)・287 (82.2%)§§、平均挿入時間(分)は8.7・10.9・13.2§§、(a) 直径10mm以上の良性ポリープ保有(人)は35(4.9%)・58 (5.0%)・28 (8.0%)、(b) 早期癌保有 (人)は14(1.9%)・48(4.1%)・15 (4.3%)、(c) 進行癌保有 (人)は29 (4.1%)・57 (4.9%)・25 (7.2%)§§、(d) AVN保有(a+b+c/n) は78 (11.0%)・163 (14.0%)・68 (19.5%)§§、(e) 近位大腸病変(e/a+b+c)は47 (60%)・63(38.7%)・36 (52.9%)§§、であった。【結論】高齢者群では鎮痛沈静法を要する例が、また超高齢者群ではそれにより酸素投与を要する例が多い。被験者が高齢になるにつれAVN発現は有意に増加し特に超高齢者群でその過半数は近位大腸に存在する。挿入困難例が多い超高齢者に対して全大腸内視鏡検査を行う必要性は高いと考えられ、内視鏡医としては安全に盲腸到達率を向上さすことが今後の課題と思われた。 |
索引用語 |
大腸, 高齢者 |