セッション情報 ワークショップ13(消化器病学会・消化器内視鏡学会・肝臓学会・消化器外科学会・消化器がん検診学会・消化吸収学会合同)

高齢者における消化器疾患の診断と治療

タイトル 外W13-8:

超高齢者予定開腹手術における合併症発生関連因子の検討

演者 高間 雄大(香川大・消化器外科)
共同演者 岡野 圭一(香川大・消化器外科), 鈴木 康之(香川大・消化器外科)
抄録 【目的】近年、85歳以上の予定開腹手術症例が増加傾向にある。そこで今回我々は、超高齢者予定開腹手術症例の術後合併症発生に関連する因子を明らかとすることを目的に検討を行ったので報告する。【方法】’00年1月~’11年2月の間に施行された85歳以上予定開腹手術症例95例を、術後合併症の有無で分け(無49例・有46例)、男女比、BMI、術前アルブミン値(以下Alb値)、小野寺らのPNI、既往歴(糖尿病・虚血性心疾患)、良悪性比、悪性疾患の根治度、手術時間、POSSUM(PS・OSS・予測合併症率・予測死亡率)を比較した。【成績】有意差を認めた項目は、Alb値(P=0.039)、OSS(P=0.040)、手術時間(P=0.015)で、さらにOSS各因子の検討では、出血量に有意差が認められた(P=0.008)。多変量解析では、Alb値と手術時間が独立因子であった。そこでAlb値と手術時間について、値別に合併症率を見たところ、Alb値では3.5g/dl以上の群(27例・29.6%)と未満の群(68例・55.9%)(P=0.018)、手術時間では300分未満の群(70例・40.0%)と以上の群(25例・合併症率72.0%)で有意差を認めた(P=0.006)。次に、Alb値3.5g/dl以上&手術時間300分未満をA群(21例)、Alb値3.5g/dl未満&手術時間300分以上をC群(19例)、他をB群(55例)に分類し、合併症率について検討したところ、A群23.8%、B群47.3%、C群78.9%となり(P=0.002)、Alb値と手術時間による分類と合併症率には関連があるといえた。【結論】超高齢者予定開腹手術時におけるAlb値による術前リスク評価は、非常に簡便で実用性がある。特にAlb値3.5g/dl未満の症例では、術式を慎重に選択し、手術時間短縮に努めなければならないといえる。
索引用語 高齢者, 術後合併症