セッション情報 ワークショップ17(消化器外科学会・消化器病学会・消化器内視鏡学会・消化吸収学会合同)

小腸疾患の診断と治療

タイトル 内W17-4:

原因不明消化管出血(OGIB)症例におけるカプセル内視鏡に対するダブルバルーン内視鏡の有用性の検討

演者 鈴木 伸治(東京医歯大・消化器内科)
共同演者 荒木 昭博(東京医歯大・光学医療診療部), 渡辺 守(東京医歯大・消化器内科)
抄録 【目的】ダブルバルーン内視鏡(DBE)は高い診断能を有する検査法であり、小腸疾患の診断・治療に必須となっており、当科でも2004年9月より導入し、検査件数は650件を超えている。カプセル内視鏡(VCE)も小腸疾患の診断に有用であるものの、本邦では保険適応により限られた症例に対して施行されている。当科では2009年7月よりVCEを導入し、2010年10月までに69例施行している。2つの検査はそれぞれ特徴があり、相補的な使用が望ましいとされているが、当科でもVCEでは所見がなかったもののDBEにて診断がついた症例を経験している。そのため、今回我々は当科でのDBEとVCEの両者を施行したOGIB症例について、両者の所見、診断を評価し、DBEの有用性について検討した。【方法】対象は2009年7月から現在まで当科にてVCEおよびDBEの両方を施行した41症例のOGIB患者。平均年齢は59.8歳。男性17名女性26名。VCEは2名の医師が別々に読影し、共通したものを所見とした。DBEについては一人法で挿入し、最深部から抜去時には施行医と他の医師、計2名で観察、診断した。【結果】VCEの有所見率は87%でDBEの診断率は85%であった。両者の所見の一致率51.2%であった。不一致の内訳はVCEでびらん、angiectasiaを指摘したもののDBEで発見でなかった例が多かった。逆にVCEで所見がなく、DBEで診断されたものに、GISTが2例、悪性リンパ腫が1例みられた。【結論】VCEは微細な病変の検出は優れているが、SMTや上部空腸病変では描出そのものが困難な場合があり、このような症例にはDBEが非常に有用と考えられた。
索引用語 OGIB, DBE