セッション情報 | ワークショップ17(消化器外科学会・消化器病学会・消化器内視鏡学会・消化吸収学会合同)小腸疾患の診断と治療 |
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タイトル | 内W17-6:拍動を伴う小腸血管性病変type 2a, 2b の診断・治療 ―検査タイミングの重要性― |
演者 | 坂本 博次(自治医大・消化器内科) |
共同演者 | 矢野 智則(自治医大・消化器内科), 山本 博徳(自治医大・消化器内科) |
抄録 | 【目的】拍動を伴う小腸血管性病変(Yano-Yamamoto classification type 2a, 2b)は小腸Dieulafoy’s lesionが疑われ、近年その存在が報告されるようになっている。これらの病変は同定することが非常に困難であるが、我々は検査施行のタイミングが最も重要であると考え、検討を行った。 【方法】2000年9月より2010年12月の間に当科にてダブルバルーン小腸内視鏡(DBE)を行った968例のうち、type 2a, 2bと診断し、治療を行った21例(平均年齢67.2±9.9歳、男性12例、女性9例)を対象とし、検討を行った。 【成績】63件(経口39件、経肛門24件)にDBEを行い、type 2a 19病変, type 2b 6病変を同定し、治療を行った。診断に至るまでの平均DBE検査数は2.6±2.8回(1~12回)であった。この63件の検査のうち、病変を同定できた検査と、できなかった検査の特徴を単変量解析で検討したところ、最終出血確認後24時間以内に検査を行ったもの、また検査時に血性腸液を認めたものは表のように、病変を同定できた検査で高い傾向を認めた。 【結論】type 2a, 2bの同定には血性腸液が残存している可能性が高い出血後24時間以内にDBEを行うことが重要であり、診断と治療を同時に行うことができるDBEを、出血したタイミングを逃さずに速やかに施行することが有用である。 |
索引用語 | 小腸血管性病変, ダブルバルーン内視鏡 |