セッション情報 |
シンポジウム18(消化器内視鏡学会・消化器病学会・消化器外科学会合同)
食道表在癌、早期胃癌に対するESDの長期予後
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タイトル |
内S18-2:早期胃癌に対する内視鏡的胃粘膜下層剥離術(ESD)の長期予後
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演者 |
石戸 謙次(北里大東病院・消化器内科) |
共同演者 |
田辺 聡(北里大東病院・消化器内科), 小泉 和三郎(北里大東病院・消化器内科) |
抄録 |
【背景】早期胃癌に対するESDは標準治療として確立されているが、長期予後については十分な検討がされていない。【対象と方法】2002年9月~2007年3月まで当院で早期胃癌に対してESDが施行された334症例378病変のうち、5年以上の追跡調査が可能であった301症例344病変(追跡率90%)を対象に有効性や安全性、長期予後について検討した(重複有り)。【結果】観察期間中央値74ヶ月間(3~115ヶ月間)、男性/女性=224例/77例、年齢中央値70歳(44~91歳)、全体の一括切除率は89.0%、後出血8.2%、穿孔5.7%であった。適応条件別ではガイドライン病変(適応内)179病変、適応拡大病変(適応拡大)109病変、適応外病変(適応外)56病変で、一括切除率は96.6%/85.3%/71.4%、後出血や穿孔は2.9%、4.7%/15.2%、3.8%/8.9%、14.3%であった。適応内では全例、転移や再発はなく、他病死17例を認めたが、他は60~111ヶ月無再発で生存中である。適応拡大では側方断端陽性1例で処置後5ヶ月後に局所再発を認め、追加ESDにより処置後30ヶ月無再発で経過していた。また分化型優位組織混合型病変にて処置後16ヶ月後にリンパ節再発を認め、処置後34ヶ月後に原病死1例、他病死20例を認めたが、他は60~115ヶ月無再発で生存中である。適応外では31例(55.4%)で追加手術が行われ、局所遺残2例、リンパ節転移3例を認めた。経過観察例では処置後15ヶ月後にリンパ節再発1例、遠隔転移再発(肝、肺)1例を認め、処置後27、36ヶ月後に原病死、他病死7例を認めたが、他は60~108ヶ月無再発で生存中である。異時性多発病変は初回治療後、中央値34ヶ月後(5~112ヶ月)に24例(8.0%)で認められた。異時性他臓器癌は20例に認められ、6例がその疾患により他病死していた。全体として原病死3例、他病死40例であり5年生存率は89.5%であった。【結語】適応拡大病変では1例原病死を経験したが、ガイドライン病変と同様に局所制御や予後は良好であった。しかし適応外病変では局所遺残や転移を認めており、耐術例では外科手術を積極的に勧めるべきであると考えられた。 |
索引用語 |
早期胃癌, ESD |