セッション情報 ワークショップ18(消化器病学会・肝臓学会・消化器外科学会・消化吸収学会合同)

消化器疾患におけるprobioticsと機能性食品の有用性

タイトル 外W18-11:

Catechinの大量肝切除後における肝傷害抑制と肝再生促進効果

演者 淺野間 理仁(徳島大・外科)
共同演者 島田 光生(徳島大・外科), 宇都宮 徹(徳島大・外科)
抄録 【背景】Catechinは茶に含まれるポリフェノールの1種である。Catechinが肝に及ぼす効果として、ラットにおける肝線維化抑制効果、ヒト肝細胞癌株の増殖抑制効果等の報告がなされている。今回、我々は、ラットの大量肝切除後の残肝に及ぼすCatechinの効果に関する検討を行った。【方法】6週齢雄性Wistar系ラットを用いて、0.5% GTE®(Green Tea Extract)溶解液を投与するCatechin群 (n=7) 、水を投与するContorol群(n=7)の2群に分類した。投与形態は自由飲水とした。投与から7日後に90%肝切除を施行し24hr後に犠死させ、両群間での肝再生率及び肝障害度を比較検討した。さらに、ELISA法で血中酸化マーカー(MDA)を、real time PCR法で肝組織中抗酸化マーカー(SOD、CAT、GSH-Px)・炎症マーカー(TNF-α、COX-2、NFκB)を測定した。【結果】Catechin群はControl群に比較して、1) 残肝体重比(0.86±0.25 vs 0.56±0.09)及びPCNA labeling index(54.4±8.0 vs 22.2±3.3)が有意に上昇。2) 血中GOT(2307±810 vs 6078±603 U/l)、GPT(1179±539 vs 2565±1124 U/l)、LDH(1948±1101 vs 6018±1550 U/l)が有意に低下。3) 血中酸化マーカーMDA(0.17±0.03 vs 0.24±0.02 μmol/l)が有意に低下。4) 肝組織中抗酸化マーカーSOD(1.38±0.14 vs 1.11±0.15)・CAT(2.21±0.66 vs 1.17±0.20)が有意に上昇。5) 肝組織中炎症マーカーCOX-2(0.98±0.19 vs 3.26±1.29)・NFκB(0.84±0.05 vs 1.42±0.34)・TNF-α(0.55±0.10 vs 1.24±0.25)が有意に低下していた。【結語】Catechinは大量肝切除後の残肝において、抗酸化作用及び抗炎症作用を有することにより肝傷害を軽減し、肝再生を促進する。
索引用語 catechin, 肝再生