セッション情報 ワークショップ18(消化器病学会・肝臓学会・消化器外科学会・消化吸収学会合同)

消化器疾患におけるprobioticsと機能性食品の有用性

タイトル 吸W18-12:

茶葉ポリフェノールによるFunctional Dyspepsiaの治療効果と安全性

演者 水谷 太二(日本大板橋病院・消化器・肝臓内科)
共同演者 松井 輝明(日本大板橋病院・消化器・肝臓内科), 森山 光彦(日本大板橋病院・消化器・肝臓内科)
抄録 【目的】近年食品の機能につき再評価する働きが提唱されている。お茶の産地では、消化器疾患が低いことが報告されている。Functional Dyspepsia(FD)は、我が国において近年増加傾向が認められる、FDの原因、症状は様々であり、未だ治療方針が確立されていない。我々は、茶葉ポリフェノ-ル(カテキン)の持つ消化器生理機能作用がFDに及ぼす効果を検討すると共にLDLコレステロールを下げる効果で特定機能性食品としてのカテキンの安全性をスタチン製剤との併用で検討し興味ある結果を得た。【方法】1)FDのROME診断基準を満たす25症例とFD類似症例15症例につき、酸分泌抑制薬、消化管運動賦活薬、カテキン(伊藤園提供)を1ヶ月間投与しGSRS日本語版アンケート簡略版にて比較検討した。2)カテキンの有効性を確認するためFDのROME診断基準を満たす38症例で二重盲検法を採用しプラセボ群18症例カテキン群20症例で飲料1日2本8週間摂取し同様にGSRS日本語版アンケート簡略版にて、自覚症状につき比較検討した。3)カテキンの安全性を確認するため、 25症例にカテキン飲料と高脂血症治療薬であるスタチン製剤を併用し4週間毎に採血を施行し有害事象の有無を検討した。何れも院内倫理委員会の承認を得て検討された。【成績】1)酸分泌抑制薬10名中、症状完全消失2名、著名改善2名、改善5名、不変1名運消化管動賦活薬10名中、症状完全消失1名、著名改善3名、改善3名不変3名、カテキン群10名中、症状完全消失0名、著名改善3名、改善4名不変3名、尚全ての群において悪化症例は無かった、高齢者には、カテキン、消化管運動賦活薬が有効であった。2)カテキン投与群はプラセボ群に比較してFDの自覚症状が改善された。3) カテキン飲料と高脂血症治療薬であるスタチン製剤を併用し、有害事象は認めなかった。【結論】カテキンの持つ、様々な作用にてFDの症状改善に有効であることが推察された。カテキン飲料と高脂血症治療薬であるスタチン製剤を併用しても有害事象は認めなかった。
索引用語 カテキン, FD