セッション情報 ワークショップ18(消化器病学会・肝臓学会・消化器外科学会・消化吸収学会合同)

消化器疾患におけるprobioticsと機能性食品の有用性

タイトル 消W18-14:

DEN誘発性肝細胞癌動物モデルを用いた、黒酢もろみ末の抗腫瘍効果と機序の解明

演者 静間 徹(東海大・生体構造機能学)
共同演者 吉野 肇一(国際医療福祉大病院・消化器内科), 福山 直人(東海大・生体構造機能学)
抄録 【目的】肝細胞癌(HCC)に対する機能性食品の効果については、不明な点が多い。我々は、動物モデルを用いて、黒酢もろみ末(壺酢中の堆積物)のdiethylnitrosamine(DEN)誘発性HCCに対する効果を検討した。【方法】6週齢F344ラットを、対照群(通常のCE-2飼料を摂取)と黒酢もろみ末群(2%黒酢もろみ末含有CE-2飼料を摂取)に分けた(各群n=16)。その1週間後より、DEN200mg/kgを3回(1回/週)腹腔内に投与し、HCC動物モデルを作成した。DENの初回投与から16週間後に、両群ともランダムに半数(8匹)のラットを犠死させ、採血および肝臓を摘出し、HE染色・glutathione S-transferase placental form (GST-P)染色を施行した。また、肝腫瘤中のmatrix metalloproteinase(MMP)-2/MMP-9値・血管内皮細胞増殖因子(VEGF)値を測定した。残りの半数のラット(各群n=8)は、Kaplan-Meier法にて生存率を比較した。【成績】黒酢もろみ末群と対照群で、血中ALT値・ヒアルロン酸値・TNF-α値に有意差はなく、背景肝組織像にも差異は認めなかった。しかし、GST-P染色では、GST-P陽性腫瘤の数に有意差はなかったものの、腫瘤の長径(mm)は、対照群(7.4±5.3)に比較し、黒酢もろみ末群で有意に低値(0.89±0.46)であった。総MMP-2/MMP-9値(ng/mg protein)は、対照群で6.7±1.6/20.6±4.6、黒酢もろみ末群で3.6±1.7/12.0±2.7であった。また、活性型MMP-2/MMP-9値は、対照群で0.28±0.12/1.17±0.38、黒酢もろみ末群で0.12±0.06/0.51±0.19であり、総・活性型MMP-2/MMP-9値の全てが、黒酢もろみ末群で有意に低値であった。VEGF値(pg/ml)も、対照群で372±46、黒酢もろみ末群で177±23であり、黒酢もろみ末群で有意に低下していた。生存率は、有意に黒酢もろみ末群で高かった。【結論】DEN誘発性HCC動物モデルにおいて、黒酢もろみ末の抗腫瘍効果が認められた。また、その機序として、gelatainases・血管新生の抑制作用が推測された。
索引用語 肝細胞癌, 黒酢もろみ末