セッション情報 |
ワークショップ18(消化器病学会・肝臓学会・消化器外科学会・消化吸収学会合同)
消化器疾患におけるprobioticsと機能性食品の有用性
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タイトル |
消W18-17:難治性直腸炎型潰瘍性大腸炎患者に対する漢方薬坐薬の有効性:前向き無作為割り付け二重盲検試験による検討
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演者 |
福永 健(兵庫医大・内科(下部消化管科)) |
共同演者 |
中村 志郎(兵庫医大・内科(下部消化管科)), 松本 譽之(兵庫医大・内科(下部消化管科)) |
抄録 |
【目的】粘膜の被覆と殺菌を主眼とした漢方生薬合剤、シレイサンの内服が難治性潰瘍性大腸炎患者に有効であると話題になっている。我々は本薬の臨床効果を科学的に証明すべく、独自にシレイサン坐薬(以下、漢方坐薬)を開発、病変首座に直接アプローチできうる直腸炎型潰瘍性大腸炎(UP)患者を対象に無作為割り付け2重盲検試験でその有効性を評価した。【方法】対象は過去2週間以上従来の局所治療が無効の急性期UP30例。充分なICの元、無作為に実薬群 (漢方坐薬n=15) か偽薬群 (n=15)に割り付け1個/日で現行の局所治療薬の代わりに経肛門投与した。早期効果判定は第14病日に施行、この時点で割り付け薬の続行に同意した症例は維持治療に移行した。Primary endpointは投与後365日での累積非再燃率とした(再燃;Rachimilewitz clinical activity index ≧5かつ肉眼的顕血便あり)。【成績】早期効果判定で寛解導入率は実薬群で66.7%、偽薬群で33.3%。Primary endpointで、実薬群は偽薬群より有意に高い累積非再燃率を示した (P<0.01:図)。明らかな副作用はなかった。【結論】急性期UP患者に対する新しい漢方坐薬の有効性・安全性が証明された。 |
索引用語 |
潰瘍性大腸炎, 漢方薬 |