セッション情報 | ワークショップ19(消化器内視鏡学会・消化器病学会・消化器外科学会合同)大腸内視鏡挿入法の基本と工夫 |
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タイトル | 内W19-2:捻れとたわみを意識した大腸内視鏡挿入法 |
演者 | 野村 昌史(手稲渓仁会病院・消化器病センター) |
共同演者 | 三井 慎也(手稲渓仁会病院・消化器病センター) |
抄録 | 【大腸内視鏡挿入の基本】 大腸内視鏡検査を苦痛なく行うためには、大腸を丁寧に畳み込む技術が重要である。われわれは大腸内視鏡挿入に際して、「捻れのない内視鏡軸(アングル操作と内視鏡先端の動きが一致した状態)」を常に意識している。その主なポイントは、a) 内視鏡は捻らず、進行方向にアングル操作で挿入する(内視鏡軸に捻れを生じさせないため、上下・左右の両アングルを左手のみで操作する)、b) 内視鏡をプッシュせず、ひだをかき分けながら進む、c) ループを作る際は、捻じれのないループ作成を心掛けるのと同時に、プル操作を加えてループが大きくならないようにする、d) 常にスコープの状況(先端の位置、ループ形成・たわみ・捻れの有無、など)を意識して内視鏡操作を行う、e) 内視鏡にたわみが生じる場合に限って、右トルクで内視鏡の直線化を保持する、である。 【コロンモデルを使用しての実際の挿入】 コロンモデルは、実際の腸とは幾つかの点で異なっている。中でも大きな違いは、その材質に起因するスコープとの摩擦による抵抗と短縮(畳み込み)操作時の復元力(短縮前の形に戻ろうとする力)である。難しい挿入パターンに細径の軟らかいスコープを用いると、コロンモデルの復元力にスコープの腰が負けてしまうため、コロンモデルを使ったトレーニングの際にはある程度腰のあるスコープを使用した方が良い。学習ポイントは次の3点と考えている。1)いろいろなS状結腸のパターンにおけるループを形成しての挿入と解除(内視鏡先端が脾彎曲での解除と下行結腸での解除)-上記のa)、c)、d)を意識して。2)S状結腸がやや長いパターン(上級者がループを形成せずに挿入できるくらいのもの)でのループを形成しない挿入-上記のa)、b)、e)を意識して。3)脾彎曲のsmoothな通過-d)、e)を意識して。脾彎曲通過時には、ステッキ現象とS状結腸のたわみを防止するため、スコープを少し進めdownアングルをかけながらたわみの分を引き戻す、といった小刻みなpull-back操作を繰り返しながらスコープを進めることもコツである。 |
索引用語 | 大腸内視鏡挿入法, コロンモデル |