セッション情報 |
ワークショップ19(消化器内視鏡学会・消化器病学会・消化器外科学会合同)
大腸内視鏡挿入法の基本と工夫
|
タイトル |
内W19-9:細径内視鏡による軸保持短縮法を基本とした大腸内視鏡挿入法
|
演者 |
浦岡 俊夫(慶應義塾大・腫瘍センター低侵襲療法研究開発部門) |
共同演者 |
緒方 晴彦(慶應義塾大・内視鏡センター), 矢作 直久(慶應義塾大・腫瘍センター低侵襲療法研究開発部門) |
抄録 |
【背景】大腸内視鏡は、外径の太さから、通常径(CF)と細径(PCF)に分類される。一方、大腸内視鏡挿入法は、軸保持短縮法とスープ形成を基本とした方法に分けられる。各挿入法の特徴から、前者にはCFが、後者にはPCFが適するとされているが、各内視鏡および挿入法には一長一短があり、我々は、PCFによる軸保持短縮法を基本とした挿入法を行っている。【見解】軸保持短縮法は、腸管を進展させないために患者の苦痛が少ないと考えられ、より望ましい挿入法だが、癒着例などにおいては、短縮は困難である。PCFは、湾曲部が細く短いため、操作性により優れている。挿入困難例において腸管を進展させないといけない場合には、腸管への負荷が少ないため苦痛がより少ない。さらに、引き続きの内視鏡治療の際の反転操作を含めた自由度において有利である。【挿入のポイント】PCFにて軸保持短縮法を試みるには、内視鏡に硬さが必要であり、硬度可変式スコープの「1」~「1.5」で開始する。長年使用されてコシがなくなった硬度可変機能のないPCFは、本方法には適さない。送気は、最小限とし、CO2送気が好ましい。左手の上下アングル操作と右手のひねりの協調運動を主体とし、ゆっくりとした回旋操作を基本とする。必要であれば、左右アングルも併用しながら、困難例であっても、ひだを一つ一つ丁寧に越えて行く。適切な部位の腹部圧迫と体位変換を利用することを心掛ける。S-topを常に意識し、同部位を過伸展させないよう恥骨上部の腹壁圧迫を併用しながら腸管短縮を試みる。ループを作る前に腹部圧迫を行うことが重要である。また、S状結腸の癒着が極めて強い場合には、硬度可変を「0」にした上で、αやNループにて対応することもある。上腹部の術後例には、CF(硬度可変式)が有効なこともあり、症例に合わせた柔軟性も必要である。【結語】PCFによる軸保持短縮法は、患者の苦痛を最小限に考えた挿入法と考えており、当日は、コロンモデルを使用して提示したい。 |
索引用語 |
大腸内視鏡挿入法, 軸保持短縮法 |