セッション情報 ワークショップ19(消化器内視鏡学会・消化器病学会・消化器外科学会合同)

大腸内視鏡挿入法の基本と工夫

タイトル 内W19-10:

先端透明フードと体位変換を用いた深部大腸挿入の工夫

演者 平野 直樹(東邦大医療センター大森病院・消化器内科)
共同演者 大塚 隆文(東邦大医療センター大森病院・消化器内科), 五十嵐 良典(東邦大医療センター大森病院・消化器内科)
抄録 大腸内視鏡挿入法は施設や、指導医によりさまざまな方法があるが、基本的にはいかに患者の苦痛を少なく、短時間で速やかに挿入できることが重要である。そのためにはある程度決まった挿入法をマスターして、それを軸にして癒着症例や過長結腸などの困難症例も行う必要がある。今回我々は先端透明フードと体位変換を用いた大腸挿入法を行っているのでこれについて解説する。先端フードを用いることでルーメンとのスペースをとる必要がないため、送気が少なくて済む。またひだ裏の観察が可能で見落としも少なくなりメリットが大きい。まずは左側臥位にて肛門よりスコープを挿入し、ライトターンをかけた状態でRS-Sの屈曲を左に見えるように持ってきて、左ターンで通過する。RSを通過してS状結腸に入った時点で患者の体位を仰臥位にする。スコープがストレートの状態で次の屈曲部位(S-Top)にかかったところでライトターンをかけながら短縮して、次のルーメンが画面の右下~下方向にもってきてダウンアングルで越えるようにする。この時点で半分以上の症例はS状結腸がストレートになっており、そのまま下行結腸に到達する。D/Cでスコープがストレートで軸も真っすぐになった状態でS状結腸がたわまないように小刻みにpushしMTまで挿入する。この時S状結腸が伸びるときには腹部の右側に伸びることが多いため腹部の右側を用手圧迫する。MTから次のルーメンを左に持ってきてレフトターンにてMTの屈曲をこえてそのままショートニングするとMTの屈曲が解除されHFが近づく。この時ほとんどの症例は右方向にルーメンが見えるため、ptに深呼吸してもらって、スコープの吸引にてHFのルーメンを近づけて、ライトターンにて屈曲部を通過してA/Cに入る。A/Cに入ったらさらにスコープで吸引して、ptに再度深呼吸をしてもらって盲腸まで到達する。上記の方法で鎮静剤を用いなくてもスムーズな深部大腸への挿入が可能であり、実際の挿入をコロンモデルの画像にて供覧する。
索引用語 大腸内視鏡, 挿入法