セッション情報 | ワークショップ19(消化器内視鏡学会・消化器病学会・消化器外科学会合同)大腸内視鏡挿入法の基本と工夫 |
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タイトル | 内W19-13:大腸内視鏡初心者に対するコロンモデルを使った挿入法指導の実際 |
演者 | 横山 薫(北里大東病院・消化器内科) |
共同演者 | |
抄録 | 【背景・目的】大腸腫瘍や炎症性腸疾患症例の急激な増加と共に、大腸内視鏡検査(CS)を1人法で行うことは消化器内視鏡医にとって必須の手技と言っても過言ではない。CSをいかに安全に苦痛なく、かつ効率よく行うかは永遠のテーマである。当施設は大学病院のため、CSを初めて行う研修医を指導する立場にある。コロンモデルを初期教育に使用しており、指導の実際について解説を行う。 【指導ポイント】1)スコープ操作の基本:上部内視鏡(GS)よりも長く太いため、初心者はGSより操作性を悪く感じ、無駄な力が入り、スコープを強く握りしめ不自然な体勢になっているのをよく目にする。スコープはソフトに握り、肛門縁より少し離して持つようにさせる。またGSとの最大の違いとして、左右の手の共調運動が重要であることを理解させる。その実際としてアングル操作は極力左手のみで行い、スコープから右手を離さないように指導する。2)挿入について:i)スコープが進むべき管腔の方向を見極めさせる。レンズと腸粘膜が接する、いわゆる赤玉のまま押し進めることがないようにさせる。特に屈曲が多いS状結腸などはひだをひとひだずつ越えていくよう指導する。ii)ループが形成された際の解除の仕方を理解させる。スコープのねじり方や解除された際のフリー感などはDVDなどで見ているだけではわかりにくく、自分で体感するのが1番である。この際に内視鏡挿入形状観察装置で画像を確認しながら行うと、より理解が深まる。3)体位変換や用手圧迫について:体位変換を行うことで腸管の屈曲が変化し、管腔が広がり挿入しやすくなることを理解させる。また用手圧迫を行う際に、パターン毎にどの部位を押さえると効果的なのかを体感させる。 【まとめ】CSの挿入は体型や術後癒着など被験者の個体差が大きく、熟練者でも難渋する症例が存在する。実際にスコープを持って操作しなければ理解できない部分が多く、患者に挿入する前及び初期研修時にコロンモデルでスコープ操作を体感し、繰り返しトレーニングを行うことが手技の修得において必要不可欠と思われる。 |
索引用語 | 大腸内視鏡, 挿入法 |