セッション情報 ワークショップ20(消化器内視鏡学会・消化器病学会・消化器外科学会合同)

咽頭癌と食道癌の効率的な観察法≪ビデオ≫≪アンサーパッド≫

タイトル W20-基調講演2:

咽喉頭領域の消化器内視鏡観察法(表在癌を見落とさないために)

演者 大森 泰(慶應義塾大・内視鏡センター)
共同演者 川久保 博文(慶應義塾大・一般消化器外科), 北川 雄光(慶應義塾大・一般消化器外科)
抄録 近年、画像強調拡大内視鏡の普及に伴い消化器内視鏡検査時に多数の咽喉頭表在癌が発見されるようになり、この様な表在癌は内視鏡治療に代表される局所切除により良好な予後が期待できることが明らかとなってきた。従来は耳鼻咽喉科・頭頸科の診療領域ではあったが、高解像度・画像強調拡大内視鏡の普及は極めて大きな診断能力を消化器内視鏡医にもたらした。現状においては消化器内視鏡医が咽喉頭表在癌の発見・診断を担える主たる診療医群である。今後、消化器内視鏡医には消化管早期癌と同様に咽喉頭表在癌の発見・診断への努力と技量が必要とされるようになると考えている。
しかし咽喉頭領域の内視鏡診断は決してなじみの深い分野ではなく、従来の上部消化管内視鏡検査に必要な知識と技術に付け加えて新たに学ぶべき項目があると考えられる。本講演では前処置の工夫、解剖学的名称、観察の方法など咽喉頭領域の内視鏡検査(経口法)において消化器内視鏡医が知っておくべき知識と技術について述べる。
1.High Risk Group
咽喉頭癌は発生頻度の低い癌であることから、疾患密度の高い高度危険群を設定して効率の良い内視鏡検査による拾い上げを行うべきである
2.前処置・鎮静法
咽喉頭観察のために内視鏡施行時間が延長すること、狭い咽喉頭領域において内視鏡の左右上下の動きがあることから、十分な咽頭麻酔と鎮静剤投与が必要である
3.解剖学的知識
病変の局在表示には咽喉頭領域の正確な解剖学的名称の知識が必要である
4.観察の手順
口腔から軟硬口蓋・中咽頭・下咽頭に至るまで被験者に負担のない無駄のない内視鏡の動きによって観察が進められるべきである
5.観察方法
咽喉頭領域の観察に通常観察、画像強調拡大観察、色素観察をどのように使うか、それぞれの観察方法の利点欠点、また従来は観察不能であった下咽頭食道接合部に対する観察方法の工夫などについて検討する
索引用語 咽喉頭表在癌, 内視鏡観察法