セッション情報 ワークショップ20(消化器内視鏡学会・消化器病学会・消化器外科学会合同)

咽頭癌と食道癌の効率的な観察法≪ビデオ≫≪アンサーパッド≫

タイトル 内W20-3:

頭頸部の消化器内視鏡観察における反射の少ない観察方法の工夫

演者 堀 伸一郎(国立四国がんセンター・消化器内科)
共同演者 壷内 栄治(国立四国がんセンター・消化器内科), 西出 憲史(国立四国がんセンター・消化器内科)
抄録 【背景】頭頸部表在腫瘍の存在が広く認識されるようになり、病変の発見頻度が増加している。それに伴い、頭頸部表在腫瘍に対する内視鏡治療が普及してきたが、現時点では明確な治療適応はない。当院では発声、嚥下等の機能温存を目的として可能な限り、頭頸部表在腫瘍に対する内視鏡治療を施行している。【方法】咽頭喉頭は上部消化管内視鏡検査における開始、終了時の通過ルートであるが、観察の仕方によっては咽頭反射を誘発するため、比較的観察をしにくい部位である。当院における咽頭喉頭観察における工夫を供覧する。 当院では原則として、スクリーニング内視鏡に先端フードを装着した拡大内視鏡(GIFH260Z、GIFQ240Z)を用いNBI併用拡大内視鏡観察を施行している。前処置は上部消化管内視鏡検査に準じて行っている。鎮静は希望者にのみ行っている。内視鏡挿入前にできるだけ頸部、舌を脱力させた状態で内視鏡を挿入する。咽頭反射が強い場合は挿入を急がず、舌に入る力を弱めるよう声かけをし、決して挿入を急がない。嚥下をしないように注意を促し、内視鏡が口腔、咽頭部にできるだけ接触しないようにする。内視鏡の接触や、嚥下運動で咽頭反射が起きると咽喉頭の観察が困難なることが多い。可能な限り唾液は内視鏡で吸引し、吸引困難場合はうがいをして唾液を排出していただく。観察には基本的にはNBIを中心に用いている。口腔、舌、口蓋、口蓋垂、咽頭左右壁、後壁、喉頭蓋、喉頭、左右梨状陥凹を順次観察を行う。喉頭、梨状陥凹の観察では軽く呼吸をとめたり発声することで観察範囲が広がることもある。梨状窩、輪状後部は消化器内視鏡のみでは観察が困難なこともあるので、ハイリスク患者など必要な場合は積極的に全身麻酔、彎曲喉頭鏡を併用し、詳細な観察を行うことも必要である。
索引用語 頭頸部表在腫瘍, 内視鏡観察