セッション情報 |
ワークショップ20(消化器内視鏡学会・消化器病学会・消化器外科学会合同)
咽頭癌と食道癌の効率的な観察法≪ビデオ≫≪アンサーパッド≫
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タイトル |
内W20-4:内視鏡的咽頭スクリーニングについての提言
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演者 |
竹村 健一(石川県立中央病院・消化器内科) |
共同演者 |
山田 真也(石川県立中央病院・消化器内科), 土山 寿志(石川県立中央病院・消化器内科) |
抄録 |
【背景と目的】NBI拡大観察は咽頭病変の拾い上げに有用であることは周知の通りであるが,嘔吐反射等により詳細な観察が困難なケースもしばしば経験する.また飲酒及び喫煙が咽頭疾患のリスク因子と言われているが,具体的なデータの報告は少ない.今回は咽頭における詳細な観察を要する咽頭癌及び異形成の高リスク群と低リスク群を明確にすることを目的とした.【対象および方法】2010月1月~2010年6月に当院で上部消化管内視鏡を施行し,NBIにて咽頭を観察した558名を対象とした.咽頭領域に径5mm以上で,境界明瞭かつ背景がbrownishなIPCL type III以上の病変を認め詳細な観察を要したものを精査群とし,その頻度,患者背景,嗜好歴,既往も含めた重複癌の有無,MCV値を検討した.なお嘔吐反射による観察困難例は除外した.【成績】精査群は全体の1.3%(7/558)であり,生検もしくは内視鏡的治療にて5例が癌,2例が高度異形成であった.精査群及び非精査群間の比較では精査群で有意に男性が多く(p=0.04),1週間に300g以上の飲酒歴(p=0.01),1日10本以上の喫煙歴(p=0.04),咽頭・食道癌の既往(p<0.001)で有意差を認めた.年齢,咽頭・食道以外の癌既往歴,MCVは両群間で有意差は認めなかった.女性で飲酒・喫煙の常習歴がなく,咽頭・食道癌の既往がない例では咽頭に精査を要する病変は1例も認めなかった.【考察】咽頭・食道癌の既往は咽頭癌の高リスク群と考えられ,さらに男性,飲酒もしくは喫煙の常習歴のある例では,NBIを含めたより慎重な観察が必要であると考えられた.当日は当院での咽頭の詳細な観察法も含めて供覧する. |
索引用語 |
咽頭癌, NBI |