セッション情報 |
ワークショップ20(消化器内視鏡学会・消化器病学会・消化器外科学会合同)
咽頭癌と食道癌の効率的な観察法≪ビデオ≫≪アンサーパッド≫
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タイトル |
内W20-10:食道のスクリーニングにおいてNBI拡大内視鏡を併用することの有用性
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演者 |
國枝 献治(佐久総合病院・胃腸科) |
共同演者 |
小山 恒男(佐久総合病院・胃腸科), 友利 彰寿(佐久総合病院・胃腸科) |
抄録 |
【背景と目的】NBI内視鏡は食道表在扁平上皮癌をbrownish area(以下、BA)として発見することができ、食道のスクリーニング検査において有用であることが明らかになっている。しかし、BAとして拾い上げられた病変の中には、非腫瘍が混在することも事実である。一方、ヨード染色は食道表在扁平上皮癌の拾い上げに有用であると広く認識されているものの、検査時間の延長やヨード撒布後の胸部不快感などがあり、食道のスクリーニング検査として全例には使用されていない。本研究は、食道のスクリーニング検査において、NBI内視鏡にNBI拡大内視鏡を併用することで内視鏡診断能が向上するか否かを検討した。【対象】2008年1月から2010年12月までに当院でNBIにてBAと診断し、食道生検を施行され、内視鏡所見と病理診断の対比が可能であった29例30病変(SCC24例、非腫瘍6例)。【方法】NBI内視鏡:1.BAの形(整or不整)、2.BAの色調(濃いor薄い)から診断。同一病変のNBI拡大内視鏡:1.表在血管の形態(異型ありorなし)、2.表在血管の密度(高いor 低い)、3.間質の茶色様変化(Intra Vascular Brown Color change 以下、IVBC)の3点から診断を行った。【結果】NBI内視鏡の感度は91.6%(22/24)、特異度は16.7%(1/6)であるのに対して、NBI拡大内視鏡の感度は95.8%(23/24)、特異度は100%(6/6)であった。30病変中2病変は、NBI内視鏡で非腫瘍と診断したが、NBI拡大内視鏡にて表在血管の異型およびIVBCを認めたため、腫瘍と診断できた。また30病変中5病変は、NBI内視鏡で腫瘍と診断したが、NBI拡大内視鏡では表在血管の異型もIVBCも認めず、非腫瘍と診断できた。【結論】食道のスクリーニング検査においてNBI拡大内視鏡を併用し、血管の異型、血管の密度、IVBCの所見からBAの鑑別診断を行うことは有用であると考えられた。 |
索引用語 |
NBI拡大内視鏡, 食道癌 |