セッション情報 |
ワークショップ21(消化器内視鏡学会・消化器病学会合同)
胃・十二指腸におけるIEEの有用性と限界≪ビデオ≫
|
タイトル |
内W21-4:NBI併用拡大内視鏡観察による胃癌の境界診断と撮影法-中倍率と最大倍率-
|
演者 |
内多 訓久(高知赤十字病院・内科) |
共同演者 |
岡崎 三千代(高知赤十字病院・内科), 岩村 伸一(高知赤十字病院・内科) |
抄録 |
NBIを始めとするImage Enhanced Endoscopy(IEE)と拡大内視鏡の普及で、胃癌の診断能は飛躍的に向上した。胃癌の拡大診断は上皮下の微小血管と腺窩辺縁上皮の形態を観察する事で行われる。臨床的には多くの症例の境界診断は中倍率拡大観察でも可能である。しかし直径約8μmである微小血管を正確に診断し、有用性や限界点を厳密に検討するためには、分解能を考えると最大倍率での観察が必要である事は明らかである。最大倍率での観察は技術的に難しいとされているが、工夫と観察法でむしろ容易に安定した画像を得る事が出来る。【目的】拡大内視鏡の診断限界を倍率別に検討し、代表的な症例を臨床的工夫と観察法を交え動画にて提示する。【対象】2008年から2011年2月までESDにて切除した分化型胃癌105例。【方法】ESD前にGIF-H260Z(オリンパス)を用い境界診断を行った。通常観察(色素を含む)、続いて中倍率拡大(約40倍、分解能約14μm)にて観察を行い、境界診断が確信できるか否か検討した後、最大倍率にて観察を行った。切除後に内視鏡上の境界が病理学的に腫瘍境界と一致するかを検討した。拡大診断は八尾らの提唱するVS classification systemを使用した。また鮮明な画像を得るために被験者にはPPIを内服させ、拡大観察時には黒フードの装着と粘液の硬化と付着予防に生理食塩水を使用し注水または浸水で撮影を行った。【結果】全症例遺残や再発は認めていない。通常内視鏡、中倍率拡大観察で全周境界診断不可能であった症例は全て形態的に腫瘍境界部が平坦である病変で8病変(7.6%)存在した、その内5病変は表面構造による診断は難しく、最大倍率で正確に血管診断を行うことで全周境界診断可能となった。最大倍率でも診断不可能であったのは105病変中3病変(3%)であり、2病変は潰瘍瘢痕上の癌で1病変は非癌上皮下を進展する中分化腺癌であった。【結語】拡大内視鏡診断の有用性や限界を検討するためには最大倍率での観察が必要である。また綺麗な画像を得るための工夫と観察法が必要である。 |
索引用語 |
拡大内視鏡, NBI |