セッション情報 |
ワークショップ21(消化器内視鏡学会・消化器病学会合同)
胃・十二指腸におけるIEEの有用性と限界≪ビデオ≫
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タイトル |
内W21-6追1:未分化型早期胃癌の範囲診断におけるNBI併用拡大内視鏡の有用性について
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演者 |
岡田 和久(癌研有明病院・内視鏡診療部) |
共同演者 |
藤崎 順子(癌研有明病院・内視鏡診療部), 山本 頼正(癌研有明病院・内視鏡診療部) |
抄録 |
目的未分化型早期胃癌に対するESDの適応拡大がなされ、術前診断能の向上が課題となっている。我々はNBI拡大内視鏡(ME-NBI)により未分化型癌の病理学的発育パターンが予測可能であると報告してきたが(JGH, 2011, in press)、今回はそれらを応用した範囲診断の有用性を検討した。方法対象は2010年1~12月の間に、通常内視鏡で20mm以下・M UL(-)病変と診断した未分化型早期胃癌37病変。それらに対しME-NBIで、窩間部が開大した微細粘膜構造を示すパターンと、腺構造が不明瞭化し微細不規則血管像(cork screw)を示すパターンを認識して4点周囲生検を施行した。そのうち周囲生検が陰性となりESDを施行した34病変に対して、ME-NBIで認識された内視鏡的境界部位に2点以上のAPCマーキングをおき、病理学的境界部位との対比をした。また周囲生検陽性例については誤診原因を検討した。成績ESDを施行した34病変では、ME-NBIガイド下の内視鏡的境界部位のAPCマーキングは、33例で病理学的境界部位との誤差が1mm以内であった。周囲生検が陽性となった3例と、APCマーキングを誤った1例、計4例では、全例が増殖帯進展部で範囲診断を誤っており、同部位の癌部の平均窩間距離は、周囲非癌粘膜の窩間距離の1.1倍以下であった。結論NBI拡大による範囲診断は未分化型癌の術前補助診断に有用であるが、癌細胞が増殖帯にわずかにしかなく、癌部の窩間距離が1.1倍以下である増殖帯進展部ではME-NBIでも範囲診断が困難であり、診断限界例であると考えられた。 |
索引用語 |
未分化型癌, NBI拡大 |