セッション情報 |
シンポジウム18(消化器内視鏡学会・消化器病学会・消化器外科学会合同)
食道表在癌、早期胃癌に対するESDの長期予後
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タイトル |
内S18-7:食道表在癌ESD症例長期成績の検討
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演者 |
戸祭 直也(京都第一赤十字病院・消化器科) |
共同演者 |
鎌田 和浩(京都府立医大・消化器内科), 八木 信明(京都府立医大・消化器内科) |
抄録 |
【目的】食道ESDの長期成績を検討し、有用性、問題点を明らかにする。【方法】京都第一赤十字病院及び京都府立医科大学消化器内科にて、2006年3月~2009年3月の間に食道ESDを施行した食道癌100例-114病変(扁平上皮癌99例-113病変、バレット腺癌1例-1病変)。ESDの成績及び術後の経過、予後、他臓器癌合併率につき検討を行った。【結果】最終病理結果は、EP-LPM(適応内)94病変(82.5%)、MM-SM1(適応拡大)16病変(14.0%)、SM2以深(適応外)4病変(3.5%)であった。予後追跡率94%(94/100)(観察期間中央値49ヶ月、3(死亡)~60ヶ月)。一括切除率97.4%、一括完全切除率87.8%であった。局所遺残再発率は1.8%、リンパ節転移は(適応内術後4年異時性多発1例、適応拡大1例、適応外1例)2.6%、遠隔再発は(適応外1例)0.9%、異時性多発癌は21%、異時性他臓器癌は31%(胃癌9例、咽頭癌9例、喉頭癌4例、肺癌6例、大腸癌5例)、3年生存率は91.5%(86/94)であったが、他病死(肺癌4例、他臓器癌死2例等)がほとんどで、原病死に限ると98.9%(適応外1例、93/94)であった。偶発症は穿孔4.4%、皮下・縦隔気腫7.0%、狭窄2.6%であった。【結論】適応病変では、長期成績として異時性多発1例を除き、遠隔転移やリンパ節転移はみられなかった。適応拡大でのリンパ節転移例は、未分化型癌(MM)に1例(6.3%)みられた。食道ESDは偶発症も十分コントロールでき、3年生存でみれば、良好な成績であったが、他病死が多く、異時性多発や他臓器癌の合併が多いことを念頭に置いた定期的な検査、マネジメントが重要と考えられた。術後3年以降では、術後42ヶ月(MM)、46ヶ月(LPM)、49ヶ月(MM)において異時性多発により、42ヶ月(MM)においてリンパ節再発死がみられたことより、術後3年観察では不十分であり、長期の経過観察が必要と考えられた。 |
索引用語 |
食道ESD, 長期予後 |