セッション情報 ワークショップ22(消化器外科学会・消化器病学会合同)

高度進行・再発消化器癌治療におけるcancer boardの役割

タイトル 外W22-5:

癌専門病院における胃疾患キャンサーボード

演者 岩崎 善毅(がん・感染症センター都立駒込病院・外科)
共同演者 大橋 学(がん・感染症センター都立駒込病院・外科), 岩永 知大(がん・感染症センター都立駒込病院・外科)
抄録 当院は東京都立がんセンターとしての役割を担っているが、胃疾患キャンサーボードは胃外科疾患グループが中心となり、2004年1月よりキャンサーボードとして立ち上がった。原則として当院で扱う全ての胃疾患患者を対象として診療科の壁を取払い、適正な治療法を決定すべく、包括的に議論する場となっている、胃がん治療のガイドラインの治療方針に沿った標準治療とオプションと指定の位置づけである臨床研究を患者の希望に沿って提供できる体制となっている。また、総合病院の基盤を有する当院の特徴を生かし、合併症を有する患者のコンサルティションも各科に対して積極的に行われている。構成は胃外科、化学療法科、消化器内科・内視鏡科、放射線科、病理科であるが、その他の各科からレジデントなどの若手医師が参加している。当キャンサーボードは若手医師の教育の場でもあり、画像診断、消化管造影検査やCT、MRIの画像、内視鏡写真の読影、さらには病理診断など診断学の教育にも力を注いでいる。平成22年度の実績では年間52回が開催され。1回平均の検討症例数は11.5症例であった。高度進行胃癌、再発胃癌の割合は年々増加傾向にあり、集学的治療による生存期間の延長によりセカンドライン、サードラインの検討を要する症例の増加も一因と考える。次年度よりは積極的治療から終末期医療へのスムーズな移行を目的として緩和ケアチームの参加を予定している。一方、最終病理診断結果に基づく振り返り検討会も行っており、臨床医と病理医との理想的な協調に向けての不可欠なシステムと考える。
索引用語 胃癌, キャンサーボード