抄録 |
[目的] SA関連病変における臨床的特徴および治療方針について検討した。[対象と方法]当院にて2001年1月から2010年12月までの病理組織学的診断でSA関連病変{hyperplastic /Metaplastic polyp(HP/MP),SSA,Traditional serrated adenoma(TSA) およびserrationを伴う癌}232病変を抽出、担癌症例の検討が可能であったのは22病変。検討1)SA関連病変の部位、形態、腫瘍径、内視鏡所見(松毬様,HPlike,2種混合)について集計。検討2)同時異時大腸癌の特徴およびserrationの併存について検証した。[結果] 検討1) HP/MP21病変、TSA81病変、SSA26病変、retrospectiveな病理学的検討の結果 2種類以上の組織の混在(combined)99病変(43%)認めた。TSAの存在部位は遠位大腸に多く68%で、遠位大腸の隆起型は93%、腫瘍径は近位で12(SD6.5)mm遠位で9(SD6.5)mm、内視鏡所見で最多は松毬様58%であった。SSAの部位は近位大腸に多く62%で、近位大腸の表面型は75%、腫瘍径は近位で11(SD5.3)mm遠位で12(SD8)mm、内視鏡所見で最多はHPlike61%であった。担癌例はTSA併存は3例、SA関連病変の複合は17例、一方SSA単独は1病変、HP/MP単独は1病変であった。深達度はSM-massive以深が5例認めた。検討2)SA関連病変に併存した同時異時大腸癌は48例(21%)に認めた。形態は2型と同等に3型もしくは5型(特殊型)が多い傾向があったがserrationを併存していたものは3例のみであった。[結論]大腸鋸歯状病変の臨床学的特徴を結果に示した。内視鏡診断においてSA関連病変を強く疑う場合は腺腫同等の内視鏡治療を考慮すべきであると考える。 |