セッション情報 一般演題

タイトル 153:

インターフェロン治療中に不安定狭心症を呈した一例

演者 福庭 暢彦(淀川キリスト教病院消化器病センター)
共同演者 竹中 完(淀川キリスト教病院消化器病センター), 松井 佐織(淀川キリスト教病院消化器病センター), 叶多 篤史(淀川キリスト教病院消化器病センター), 尾阪 将人(淀川キリスト教病院消化器病センター), 柴垣 広太郎(淀川キリスト教病院消化器病センター), 北村 静信(淀川キリスト教病院消化器病センター), 嵯峨 一行(淀川キリスト教病院消化器病センター), 吉永 寛(淀川キリスト教病院消化器病センター), 益澤 明(淀川キリスト教病院消化器病センター), 渡辺 明彦(淀川キリスト教病院消化器病センター), 藤原 仁史(淀川キリスト教病院消化器病センター), 藤田 剛(淀川キリスト教病院消化器病センター), 向井 秀一(淀川キリスト教病院消化器病センター)
抄録 インターフェロン(以下IFN)治療は多くの施設で行われるようになったが、それに伴い種々の副作用が報告されてきた。その中で、循環器系の副作用は頻度こそ少ないが発症の際は重篤となりうる。この度我々はC型慢性肝炎に対しIFN治療中に不安定狭心症を呈した一例を経験したので報告する。
患者は62歳男性。一日20本42年間の喫煙歴あり。平成15年3月人間ドックでHCV抗体陽性、肝機能異常(T.Bil0.5/AST60/ALT190)指摘され同年4月当センター外来受診。6月10日よりIFNβ6MU連日投与14日間施行し、その後IFNα6MU週3回開始。7月頃よりIFN投与時の全身倦怠感、短時間の胸痛などの症状出現したためIFNα3MU週3回に減量した。この間AST、ALTは正常化し、HCV RNA定性は陰性化した。しかし、IFN投与毎の全身倦怠感は継続したため、9月よりIFNα3MU週2回投与としていた。11月17日持続する胸痛出現し当院循環器科受診。心電図にて虚血性変化認め、不安定狭心症として緊急入院した。後日冠動脈造影にて前下行枝起始部の狭窄認め、他院にて冠動脈バイパス術を施行した。
今回認めた冠動脈狭窄とIFN投与の関連性は明らかではないが、IFN投与するたびに全身倦怠感、胸痛を認めていたこともあり、冠攣縮を繰り返し、器質的狭窄を形成した可能性は否定できない。IFN治療においては循環器系の副作用に対しても更なる厳重な注意が必要と考えられた。
索引用語 インターフェロン, 狭心症