セッション情報 一般演題

タイトル 177:

当院における経皮経肝的胆嚢穿刺吸引術(PTGBA)の検討

演者 竹中 完(淀川キリスト教病院 消化器病センター)
共同演者 福庭 暢彦(淀川キリスト教病院 消化器病センター), 松井 佐織(淀川キリスト教病院 消化器病センター), 叶多 篤史(淀川キリスト教病院 消化器病センター), 尾阪 将人(淀川キリスト教病院 消化器病センター), 柴垣 広太郎(淀川キリスト教病院 消化器病センター), 北村 静信(淀川キリスト教病院 消化器病センター), 嵯峨 一行(淀川キリスト教病院 消化器病センター), 吉永 寛(淀川キリスト教病院 消化器病センター), 益澤 明(淀川キリスト教病院 消化器病センター), 渡辺 明彦(淀川キリスト教病院 消化器病センター), 藤原 仁史(淀川キリスト教病院 消化器病センター), 藤田 剛(淀川キリスト教病院 消化器病センター), 向井 秀一(淀川キリスト教病院 消化器病センター)
抄録 【目的】従来、保存的治療にて改善しない重篤な急性胆嚢炎に対しては、経皮経肝的胆嚢ドレナージ術(以下PTGBD)が行われることが多かった。しかし、チューブトラブルなどの問題点も多い。その点、ドレナージチューブを留置しない経皮経肝的胆嚢穿刺吸引術(以下PTGBA)は比較的安全に行え、処置後の制約もほとんどない。今回、当院で行われた急性胆嚢炎に対するPTGBAについて、その有用性を検討した。【対象】2001年6月から2004年4月までに腹痛、発熱の訴えで当院を受診し、腹部超音波にて胆嚢壁肥厚、胆嚢結石を認め急性胆嚢炎と診断された症例45例。男性24例、女性21例、平均年齢は59.2歳であった。45例中、総胆管結石の合併を認めたのは7例(16%)であった。【結果】発症からPTGBA施行までの期間は平均3.1日で、最長は10日であった。胆汁性腹膜炎のような重篤な合併症例はなかった。31例(69%)が一回のPTGBAで急性胆嚢炎は改善し、8例(18%)が再施行を必要とし、6例(13%)がPTGBDを要した。炎症反応に関しては、再施行例、PTGBDを要した症例を除く全例でWBC、CRP、発熱、いずれも改善傾向を示した。施行翌日までに42例(76%)が症状の改善を認めた。緊急手術を要した症例はなく、待機手術を施行した症例は29例であり(64%)、腹腔鏡下胆嚢摘出術と開腹胆嚢摘出術の比は7:3(20例:9例)であった。総胆管結石を有した7例はいずれも内視鏡的逆行性胆道ドレナージ術(以下ERBD)を施行した。【結論】PTGBAは胆石を伴う急性胆嚢炎に対し、安全かつ有効な治療法と考えられた。総胆管結石を合併するものはPTGBAにて症状改善後も、可及的速やかにERBDが必要であり、慎重な対応を要すると考えられた。
索引用語 PTGBA, 急性胆嚢炎