セッション情報 |
シンポジウム18(消化器内視鏡学会・消化器病学会・消化器外科学会合同)
食道表在癌、早期胃癌に対するESDの長期予後
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タイトル |
内S18-10:表在型食道扁平上皮癌ESDの長期予後
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演者 |
竹内 学(新潟大医歯学総合病院・3内科) |
共同演者 |
小林 正明(新潟大医歯学総合病院・光学医療診療部), 橋本 哲(新潟大医歯学総合病院・3内科) |
抄録 |
【目的】食道ESDは高い局所根治性から食道癌に対する標準的内視鏡治療として位置づけられた.検討目的は食道ESD長期成績の解析よりその有用性・課題を明らかにすることである.【方法】2008年12月までにESDを施行した表在型食道扁平上皮癌200例232病変(食道癌内視鏡切除既往例、CRT後・EMR後局所再発例は除く)のうち,3年以上経過が追えた192例(追跡率96%)を対象とし,病理深達度診断にて(A)EP/LPM:132例(B)MM/SM1:40例(C)SM2以深:20例の3群に分類し検討を行った。性別M/F:(A)117/15(B)37/3(C)18/2.年齢中央値(range,歳):(A)67(45-87)(B)68(49-88)(C)69(42-83).観察期間中央値(月):(A)52.5(6-107)(B)62.5(13-88)(C)48.0(7-78).【成績】(1) 一括完全切除率:(A)99.2%(131/132)(B)100%(40/40)(C)95.0%(19/20).(2) 偶発症:すべての群で穿孔・後出血0%.術後狭窄:(A)20.5%(27/132)(B)17.5%(7/40)(C)35.0%(7/20)に認め,拡張術あるいはケナコルト局注にて狭窄解除可能.(3)局所遺残再発:すべての群で0%.(4)追加治療:(A)なし(B)脈管浸潤陽性2例に追加CRT(C)9例に追加CRT,1例に追加手術.(5) リンパ節・遠隔転移:(A)0%(0/132)(B)リンパ節転移2.5%(1/40)遠隔転移0%(0/40)(C)リンパ節転移15.0%(3/20)肺転移5.0%(1/20).(6)異時性多発癌(1年以上経過後の発見):(A)9.8%(13/132)(B)7.5%(3/40)(C)5.0%(1/20)深達度はEP/LPM 16例,MM 1例で全てESDにて切除.(7)他臓器重複癌:(A)48.5%(64/132)(B)60.0%(24/40)(C)35.0%(7/20).胃癌(55例),頭頸部癌(28例),大腸癌(11例)が多かった(重複あり).(8)5年生存率(全生存率・原病生存率):(A)81.8%・100%(B)85.0%・100%(C)70.0%・100%,死因としては他臓器癌52.8%(19/36),循環器・呼吸器疾患38.9%(14/36)であった.【結論】良好な長期治療成績より、食道ESDは有用な治療であるが,致死的な他臓器癌の併発率が高く,異時性食道癌のみならず,胃癌,頭頸部癌,大腸癌のサーベイランスが重要である. |
索引用語 |
食道ESD, 予後 |