セッション情報 ワークショップ24(消化器外科学会・消化器病学会・消化器内視鏡学会合同)

嚢胞性膵腫瘍の病態からみた治療

タイトル 外W24-6:

切除例からみた嚢胞性膵腫瘍に対する治療戦略

演者 羽鳥 隆(東京女子医大・消化器外科)
共同演者 君島 映(東京女子医大・消化器外科), 山本 雅一(東京女子医大・消化器外科)
抄録 【目的】膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN),膵粘液性嚢胞腫瘍(MCN),膵漿液性嚢胞腫瘍(SCN),Solid-pseudopapillary neoplasm(SCN)の各種嚢胞性膵腫瘍に対する治療戦略を明らかにする目的で切除例から検討した.【方法】1981-2010年の嚢胞性膵腫瘍切除例510例(IPMN 386例,MCN 47例,SCN 44例,SPN 33例)を対象に検討した.【結果】1)IPMN:腺腫138例,境界病変44例,非浸潤癌94例,由来浸潤癌(含,微小浸潤癌)110例で,癌の頻度は主膵管型60%,混合型76%,分枝型32%で,分枝型では壁在結節例の50%に癌を認めた.リンパ節転移は由来浸潤癌のみに認め,微小浸潤例以外の51%に認められた. 2)MCN:平均年齢46歳で,全例に卵巣様間質を認め,膵体尾部に発生し,術式はDPがほとんどであったが,膵中央切除(MP)や脾温存DP(SPDP)も19%に施行されていた.腺腫41例,非浸潤癌5例,浸潤癌1例で,癌の頻度は13%であった.リンパ節転移例はなかった.3)SCN:平均腫瘍径は41mm,平均年齢55歳で,PPPD 7例,DPPHR 4例,腹側膵切除(VP)1例,MP 10例,DP 14例,SPDP 8例と縮小手術が52%を占めていた.悪性例はなかったが,腹痛などの有症状例が18%,比較的短期間での増大傾向が9%,膵管狭窄が20%,他の膵腫瘍との鑑別困難が25%に認められた. 4)SPN:平均年齢40歳,平均腫瘍径47mmで,膵管狭窄を39%に認めた.リンパ節転移例はなかったが,十二指腸浸潤1例,肝転移1例を認めた.【結語】IPMNでは主膵管型,混合型,壁在結節を伴う分枝型を手術適応とし,浸潤が疑われる場合には郭清術式を選択するが,浸潤が疑われない場合には縮小手術も選択可能である.MCNでは癌の頻度は少ないが,年齢も考慮すると全例手術適応とすべきで,浸潤所見がなく腫瘍径が大きくない場合には縮小手術も選択可能である.SCNでは有症状,膵管狭窄,増大傾向が目立つ,鑑別困難なものなどを手術適応とし,縮小手術も可能である.SPNでは膵管狭窄例も少なくなく,malignant potentialを考慮すると全例手術適応とし,腫瘍径が大きくない場合には縮小手術も選択可能である.
索引用語 嚢胞性膵腫瘍, 外科治療