セッション情報 一般演題

タイトル 26:

肝弧立性壊死性結節(Solitary necrotic nodule)の一例

演者 庄中 達也(市立札幌病院 外科)
共同演者 倉内 宣明(市立札幌病院 外科), 菊地 一公(市立札幌病院 外科), 内野 隼材(市立札幌病院 外科), 廣方 玄太郎(市立札幌病院 外科), 山下 健一郎(市立札幌病院 外科), 大川 由美(市立札幌病院 外科), 三澤 一仁(市立札幌病院 外科), 佐野 秀一(市立札幌病院 外科)
抄録  肝弧立性壊死性結節(Solitary necrotic nodule)は稀な病変であり、腫瘍性病変ではなく、外傷・感染・血管腫の壊死などその成因と考えられているが、いまだ不明な点も多い。今回われわれは術前診断の困難であった肝弧立性壊死性結節の1例を経験したので報告する。症例は72才女性。2003年夏、左大腿骨頚部骨折にて他院入院加療時に、肝S4に腫瘍を指摘されたが放置。 2004年4月27日、前医のCTにて胆管細胞癌を疑われ当科紹介入院。CT上肝S4に辺縁に淡い造影効果を示す多結節性腫瘍を認めた。MRIにてT1・T2ともややhigh intensityを呈していた。また肝外に浸潤性に発育している所見が疑われた。ERCP上、B4の壁の軽度の不整がみられ、血管造影上はA4にtumor stainを疑わせる所見を呈していた。肝エキノコッカス症はELISA法・Western plot法にてともに陰性であった。以上より何らかの腫瘍性病変、特に非定型的ではあるが胆管細胞癌も疑われたため、2004年6月4日開腹術施行。病変は白色結節を呈しており契状に生検したところクリーム色粘調な液体が少量流出した。術中迅速細胞診では、腫瘍性変化を認めなかったので閉腹した。後日、病理診断にて肝弧立性壊死性結節と診断された。 肝弧立性壊死性結節について文献的考案を含め報告する。
索引用語 肝, 孤立性壊死