| 抄録 |
症例は48歳の男性。既往歴、家族歴に特記すべきことはなく、飲酒も機会飲酒程度であった。H15. 8月頃より皮膚掻痒感を自覚していたが、H16. 3月頃より食欲不振、更に4月下旬より皮膚掻痒感の増強がみられるようになり、体重も3か月で5kg程減少したため近医を受診した。腹部エコーで軽度の胆嚢腫大と胆砂を認めたため、4月28日当科紹介入院となった。腹部症状はなく、理学所見にも異常は認めなかった。血液検査では、T.Bil 1.11 mg/dl, GOT 76 IU/l, GPT 153 IU/l, ALP 661 IU/l, γ-GTP 593 IU/lと肝機能障害を認めたが、CBC, CRP, 膵酵素に異常はみられなかった。γ-グロブリン、IgGは正常範囲で、各種自己抗体と腫瘍マーカーは陰性であったが、IgG 4は高値を示していた。腹部CTでは胆嚢腫大と肝内胆管の拡張を認めたが、膵腫大は明らかではなかった。ERCPでは膵管にびまん性の狭細化と下部総胆管に狭窄を認めた。総胆管狭窄部の生検では悪性所見はなく、炎症細胞の浸潤を認めた。総胆管癌との鑑別が問題となったが、特徴的な膵管像とIgG 4高値より自己免疫性膵炎と考え、プレドニゾロンの投与を開始した。経過を含め、若干の文献的考察を加え報告する。 |