セッション情報 ワークショップ24(消化器外科学会・消化器病学会・消化器内視鏡学会合同)

嚢胞性膵腫瘍の病態からみた治療

タイトル 消W24-12:

膵Solid-psudopapillary neoplasm(SPN)の診断と治療戦略

演者 今岡 大(愛知県がんセンター中央病院・消化器内科)
共同演者 肱岡 範(愛知県がんセンター中央病院・消化器内科), 清水 泰博(愛知県がんセンター中央病院・消化器外科)
抄録 【はじめに】膵SPNは若年女性に好発する低悪性度の大きな膵腫瘍とされている。しかし、非典型例も報告されるようになり、その術前診断能および術式についての検討は不十分である。【目的と対象】2001年~2011.4月までに手術を施行し病理学的にSPNと診断された13例を対象とし、臨床病理学的特徴および術前診断能について検討し、適切な手術術式を明らかにすること。【結果】1)臨床像および画像所見:年齢は43.2歳(22-69歳)、男女比 3:10。有症状例は2例(15.3%)であった。腫瘍個数は単発12例、多発1例(2病変)。病変部位は頭部が4例、体部が8例、尾部が2例(頭部と尾部の多発が1例)。平均腫瘍径は37.16mm(16-150mm)で5例が20mm以下で発見された。有石灰化例は8/13(61.5%)、有嚢胞例は9/13(69.2%)であった。2)術前組織診断:EUS-FNAを8例に施行し7例より検体採取可能であったが、1例は外殻石灰化のため穿刺不能であった。7例全例に免疫組織学的検討が可能で6例が正診であった。1例は膵内分泌腫瘍の診断であり、EUS-FNAによる術前診断能は75%(6/8)であった。3)治療および病理組織学的検討:全例に外科的切除がなされた。3例が膵頭十二指腸切除術、7例が体尾部切除術、1例で膵横断切除、2例で核出術が行われた。リンパ節転移や他臓器転移は認めなかったが、被膜/実質浸潤を7例(53.8%)に認めた。切除断端は1例で陽性であった。4)予後:術後平均観察期間は44ヶ月(2-108ヶ月)で、FNA未施行の1例に72ヶ月後に腹膜再発を認め再切除を行った。全例生存中である。【考察】画像診断の進歩に伴い高齢、男性、多発などSPNの臨床像は多様化し、20mm以下の小病変も発見されるようになってきた。このためSPNの典型例は以前より少なくなり画像所見のみでの術前診断には限界がある。EUS-FNAはSPNの診断にも有用であり、手術に際しては被膜/実質浸潤も高率に見られるため、定型膵切除術を基本とし、縮小手術を行う場合には膵切離断端に十分留意する必要がある。
索引用語 SPN, EUS-FNA