セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)食道・咽頭-基礎 |
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タイトル | 消P-4:酸および伸展刺激に対する食道知覚閾値の年齢による変化 |
演者 | 山崎 尊久(兵庫医大・内科(上部消化管科)) |
共同演者 | 大島 忠之(兵庫医大・内科(上部消化管科)), 富田 寿彦(兵庫医大・内科(上部消化管科)), 池尾 光一(兵庫医大・内科(上部消化管科)), 田村 彰朗(兵庫医大・内科(上部消化管科)), 原 謙(兵庫医大・内科(上部消化管科)), 浅野 晴紀(兵庫医大・内科(上部消化管科)), 奥川 卓也(兵庫医大・内科(上部消化管科)), 横山 聡子(兵庫医大・内科(上部消化管科)), 近藤 隆(兵庫医大・内科(上部消化管科)), 豊島 史彦(兵庫医大・内科(上部消化管科)), 櫻井 淳(兵庫医大・内科(上部消化管科)), 田中 淳二(兵庫医大・内科(上部消化管科)), 福井 広一(兵庫医大・内科(上部消化管科)), 堀 和敏(兵庫医大・内科(下部消化管科)), 渡 二郎(兵庫医大・内科(上部消化管科)), 松本 譽之(兵庫医大・内科(下部消化管科)), 三輪 洋人(兵庫医大・内科(上部消化管科)) |
抄録 | 【目的】食道機能性障害であるNERDの病態の一つとして食道知覚過敏の関与が注目されている。食道知覚過敏は、酸や機械的伸展刺激に対する過敏であり、胸やけ症状発現に深く関与していることが示唆されており、食道知覚に関する研究の必要性は増している。しかし、これまで食道知覚に関する基礎的検討は少なく、それが年齢によって異なるかどうかの検討もない。そこで今回、我々は食道知覚閾値が年齢によって異なるかどうかを酸及び伸展刺激を用いて検討した。【方法】23歳から75歳の健常人30例(男/女:15/15、平均年齢48.3歳)を対象とした。食道内圧検査で下部食道括約筋(LES)を同定、LESより口側15cmにカテーテルを留置、同部位より生理食塩水を2分間及び酸 (pH1.0)を10分間滴下し酸還流試験を行った。最初に胸やけや呑酸などの定型的症状を自覚した時間から試験終了後までの時間(T)、試験終了後のVerbal descriptor scaleを用いた強度(I)を算出し知覚スコア(Acid Purfusion Sensitivity Score=強度(I)×時間(T)/100)を評価した。また伸展刺激に対しては食道Barostatを用いてLESより口側10cmに留置したバルーンを加圧し、初めてバルーンの存在を感じる第一感覚と不快感を伴う痛みを記録し圧閾値を検討した。【成績】APSSは平均17.7±23.6(0-83.5)であり、年齢とともに有意に減少し(r=-0.5 P<0.005)、また第一感覚を認める拡張圧は平均28±12.2mmHgで、年齢とともに有意に増大した(r=0.44 P<0.005)。痛みを認める拡張圧は有意差を認めなかったが、年齢とともに増大する傾向があった。また酸刺激による知覚閾値は男性と女性では有意差を認めなかった。【結論】健常者の食道知覚閾値は年齢とともに有意に低下した。食道知覚の検討にあたっては年齢による影響を考慮する必要がある。 |
索引用語 | 食道, 知覚過敏 |