セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

食道・咽頭-良性疾患1

タイトル 消P-8:

バレット食道を合併する逆流性食道炎患者の特徴

演者 木村 聖路(国保三戸中央病院・内科)
共同演者 高杉 滝夫(国保三戸中央病院・内科), 田中 正則(弘前市立病院・臨床検査科), 濱舘 貴徳(弘前大大学院・消化器血液内科学), 福田 真作(弘前大大学院・消化器血液内科学)
抄録 【目的】欧米ではバレット食道は逆流性食道炎の合併症として、10%前後の患者に認められる。本邦の診断基準では更に高い合併率が報告されている。バレット食道を生じる食道炎患者にはどのような因子が関与するのか、非合併例との比較検討を試みた。【方法】過去8年間の内視鏡検査にてLA分類grade A以上の逆流性食道炎を指摘した518例を、食道炎のみの患者397例(A群)、バレット食道(SSBE)を伴う患者121例(B群)に分類した。各群における年齢、性別、重症度、ヘルニア合併率、BMI、飲酒率、喫煙率、平均血圧、総コレステロール値、中性脂肪、空腹時血糖、HbA1c値、PPI治療率について比較検討を行った。【成績】逆流性食道炎患者における本邦基準によるSSBE合併率は23.3%だった。年齢性別は65.3±14.1歳、1.26:1(A群)、64.2±13.8歳、1.16:1(B群)で有意差はなかった。重症度はgrade A 56.7%、grade B 32.0%、grade C&D 11.3%(A 群)、56.2%、32.2%、11.6%(B群)、ヘルニア合併率は69.2%(A群)、69.4%(B群)で両群間に全く有意差がなかった。BMIも24.5kg/m2(A群)、24.2kg/m2(B群)で差がないものの、飲酒率、喫煙率は32.5%、16.7%(A群)、34.0%、28.8%(B群)と、B群で喫煙率が高かった(p<0.05)。各メタボリックマーカー(A群vs B群)は血圧136.7/80.3mmHg、131.1/79.0mmHg、TCHO 211.5mg/dl、 214.9mg/dl、TG126.7mg/dl、128.3mg/dl、FBS102.8mg/dl、99.1mg/dl、HbA1c5.33%、5.37%で有意差がなかった。しかしPPI治療率は54.4%(A群)、67.0%(B群)であり、B群で治療率が高かった(p<0.05)。【結論】SSBEを合併する患者は逆流性食道炎のみの患者に比べ、喫煙率が有意に高く、PPIによる治療率が有意に高かった。食道炎の重症度やヘルニア合併率、BMIやメタボリック因子の関与には有意差がなかった。
索引用語 バレット食道, 逆流性食道炎