セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

食道・咽頭-良性疾患1

タイトル 消P-10:

口頭問診で胸やけ、呑酸なしと答えた内視鏡陽性逆流性食道炎患者に対するPPIの有用性に関する検討

演者 河野 孝一朗(総合南東北病院・消化器センター)
共同演者 名和田 義高(総合南東北病院・消化器センター), 濱田 晃市(総合南東北病院・消化器センター), 志村 和政(総合南東北病院・消化器センター), 田島 浩子(総合南東北病院・消化器センター), 西野 徳之(総合南東北病院・消化器センター), 中澤 敏弘(総合南東北病院・消化器センター), 十林 賢児(総合南東北病院・消化器センター)
抄録 背景)内視鏡陽性逆流性食道炎患者のなかでも、口頭問診で胸やけ、呑酸いずれもなしと回答したもの(以下:口頭陰性者)に対して、治療効果やコンプライアンスの面からPPIを投与するかどうか悩むケースをしばしば経験する。目的)内視鏡陽性逆流性食道炎患者のうち口頭陰性者に対するPPIの有用性を明らかにする。方法)当院人間ドックの上部消化管内視鏡検査で新たに逆流性食道炎(LosA-D)と診断され、かつPPI,H2RAの服用経験のなかった患者34例を対象とした。検査後、担当医が『胸やけがしますか?』、『苦水があがってくることがありましたか?』と2つの質問を口頭で行った。その後、Fスケールを用いて記述形式による問診を行い、ラベプラゾール10mgを2W間投与した。投与2W後に再度Fスケールを用いて問診を行った。口頭の問診で2つの症状のうち1つでもありと答えた群(A群)と2つの症状がともになしと答えたもののうちPPI投与前Fスケールスコアが8点以上の群(B群)と7点以下の群(C群)の3群に振り分け比較検討した。結果)A群18例:B群4例:C群12例 年齢(歳)= 53.6±11.5:44.0±12.7:59.9±10.9(p<0.05)。性別(男)=15(83%):3(75%):11(92%)(n.s.)。LosA/B/C/D=10/8/0/0:2/2/0/0:7/4/1/0(n.s.)。PPI投与前Fスケールスコア=10.8±6.1:13.7±4.5:2.5±2.3(p<0.05)。PPI投与2W後Fスケールスコア=6.6±6.7:7.8±5.0:3.5±3.1(n.s.)。 3群それぞれのPPI投与前後でのFスケールスコアの差 -4.2±5.6(p<0.05):-6.0±4.5(p<0.05):1.0±3.3(n.s.)。結論)内視鏡陽性逆流性食道炎の口頭陰性者ではFスケールで8点以上のGERD症状をもつものが1/4程度認められ、それらでは口頭陽性者と同様にPPI投与でGERD症状の改善を認めた。内視鏡陽性逆流性食道炎患者に対して口頭陰性でもPPI投与の有用性が示唆された。
索引用語 逆流性食道炎, 無症状