セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

食道・咽頭-良性疾患1

タイトル 消P-12:

逆流性食道炎患者を対象としたPPIの症状改善効果の検討-オメプラゾール20mg/日とラベプラゾール10mg/日の無作為割付比較試験-

演者 永原 章仁(順天堂大・消化器内科)
共同演者 鈴木 剛(東京警察病院・消化器科), 永田 尚義(国立国際医療研究センター・消化器科), 菅井 望(KKR札幌医療センター・消化器内科), 竹内 義明(昭和大・消化器内科), 櫻井 宏一(熊本大大学院・消化器内科学), 宮本 真樹(安芸太田病院・内科), 井上 和彦(川崎医大・総合臨床医学), 間部 克裕(北海道大大学院・消化器内科学)
抄録 【目的】逆流性食道炎(RE)患者の症状改善効果をオメプラゾール20mg/日(O群)とラベプラゾール10mg/日(R群)の間で比較した。【方法】過去12か月以内に内視鏡検査でREと診断され、かつスクリーニング時に上腹部症状問診票(GOS)で逆流症状の胸やけまたは胃酸の逆流感がGOSスコア4(中くらいに困った)以上の患者を対象にO群またはR群に無作為に割付け、1日1回4週間投与した。主要評価項目は、被験薬投与後の逆流症状改善までの日数とし、患者日誌を用いて逆流症状スコアが7日間持続して1(ぜんぜん困らなかった)または2(あまり困らなかった)に至った最も早い日(逆流症状改善日)の患者割合を両群間で比較した。更にCYP2C19遺伝子多型別の検討も行った。副次的評価項目は、被験薬投与2、4週後の総合症状改善率とし、上腹部症状問診票で全ての症状スコアが1または2を示す患者割合を両群間で比較した。【成績】評価対象例はO群86例、R群83例で、被験者背景、被験薬割付時の逆流症状の程度、全ての上腹部症状の種類と程度に両群間で差を認めなかった。症状改善までの日数はO群がR群より速く、1日後がO群34.9%、R群20.5%(p<0.05)、2日後がO群43.0%、R群26.5%(p<0.05)であり、CYP2C19タイプ別にはhetEM、PM群でO群がR群よりも症状改善が速かった。総合症状改善率は被験薬投与2週後がO群64.7%、R群47.6%でO群が有意に高く(p<0.05)、4週後はO群70.6%、R群57.3%であった。【結論】オメプラゾールは逆流症状の改善がラベプラゾールより速やかで、総合症状改善にも優れRE患者の症状改善に有用な薬剤であると考えられた。
索引用語 GERD, PPI