セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

食道・咽頭-良性疾患2

タイトル 消P-15:

食道アカラシアの病態および腹腔鏡下手術成績

演者 柴田 智隆(北里大・外科)
共同演者 片田 夏也(北里大・外科), 根本 昌之(北里大・外科), 三重野 浩朗(北里大・外科), 山下 継史(北里大・外科), 桜本 信一(北里大・外科), 菊池 史郎(北里大・外科), 渡邊 昌彦(北里大・外科)
抄録 【目的】未治療アカラシアの病態を示し、腹腔鏡下手術の有効性を明らかにする。【1.病態について】治療前食道造影検査および食道内圧検査結果が解析可能であった70症例を対象とした。病悩期間中央値は2年(0.3-34年)、拡張型は紡錘型(Sp)30例、フラスコ型(F)30例、S字型(Sig)10例。SigではSpと比較し、病悩期間が有意に長く(Sig: 8.6±10.4, Sp: 3.5±4.2, p=0.005)、弛緩率(%)も有意に低下しており(Sig: 57.1±23.1, Sp: 70.1±13.4, p=0.037), 下部食道の蠕動波高(mmHg)も低下する傾向を認めた(Sig: 16.6±7.9, Sp: 32.2±16.1, p=0.057)。【2.腹腔鏡下手術の短期成績】腹腔鏡下手術を行った67例を対象とした。術式はHeller-Toupet法30例、Heller-Dor法37例。開腹移行、治療関連死なし。再手術は膿胸1例、食道裂孔ヘルニア1例。術前のDysphagia症状を10とした手術後のDysphagia症状(D-Score)は1.7±1.2 と著明に改善した。【3.腹腔鏡下手術の長期成績】5年以上経過観察可能であったHeller-Toupet法22例を対象とした。平均観察期間は7.7年。再手術なし。D-Scoreは術後5年目で2.3±1.6と良好であった。経過観察中に食道表在癌1例、食道憩室2例を認めた。【結論】食道アカラシアに対する腹腔鏡下手術は第一選択となりうる。
索引用語 食道アカラシア, 手術