セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

食道・咽頭-良性疾患2

タイトル 消P-18:

肥満と消化器症状との関連

演者 中原 憲一(大阪市立大・消化器内科)
共同演者 藤原 靖弘(大阪市立大・消化器内科), 久保 牧子(大阪市立大・消化器内科), 木幡 幸恵(大阪市立大・消化器内科), 町田 浩久(大阪市立大・消化器内科), 岡崎 博俊(大阪市立大・消化器内科), 山上 博一(大阪市立大・消化器内科), 谷川 徹也(大阪市立大・消化器内科), 渡辺 憲治(大阪市立大・消化器内科), 渡辺 俊雄(大阪市立大・消化器内科), 富永 和作(大阪市立大・消化器内科), 荒川 哲男(大阪市立大・消化器内科)
抄録 背景:本邦でも肥満の増加が注目されており、様々な疾患との関連が指摘されている。しかしながら、消化器症状と肥満との関連についての詳細な研究は少ない。目的:一般日本人について肥満における消化器症状の頻度とその特徴を検討する。方法:定期健康診断者2853名(男性1882人、女性971人;年齢18-83歳、平均45.1歳)に対して自己記入式質問紙票を用いて消化器症状(胸やけ、呑酸、げっぷ、心窩部痛、食後腹部膨満感、早期満腹感、嘔気、胸痛、腹部不快感、排便回数など)の有無、頻度、程度を検討した。健康関連QOLはSF-8により評価した。身長体重よりBMIを算定し、低体重(BMI<18.5)、普通体重、肥満(BMI ≧25)に分類しそれぞれの有症状率を解析した。肥満は1度~4度に細分類した。月に2,3回以上認めるケースを有症状とし、排便回数により1日3回以上を下痢、3日に1回以下を便秘と定義した。FDとIBSについてはROME III基準により診断した。結果:2853人中肥満は561人(19.7%)に認め、うち1度491人(17.2%)、2度62人(2.1%)、3度7人(0.2%)、4度1人であった。性別では男性(24.7%)は女性(9.8%)に比べて肥満の頻度が高かった。健康関連QOLは身体的機能について肥満群で普通体重に比べて有意に低下していた。肥満における消化器症状の有症状率は胸やけ10.6%、呑酸9.4%、げっぷ37.8%、心窩部痛6.3%、食後膨満感19.2%、早期満腹感11.1%、嘔気11.8%、胸痛11.9%、IBS症状10.5%、下痢7.8%、便秘4.7%であった。男女別に解析すると男性肥満では下痢9.2%と普通体重5.5%に比べて有意に高く、女性肥満では胸やけ14.7%と普通体重8.3%に比較して有意に高かった(p<0.01)。その他の症状については肥満と普通体重の比較では有症状率に差は認めなかった。FD(特にPDS)とIBS(特にIBS-D)は肥満と負の関連を認めた。結語:肥満において男性では下痢が、女性では胸やけが多かった。その他の症状は普通体重と差は認めなかった。
索引用語 肥満, 消化器症状