セッション情報 |
ポスターセッション(消化器病学会)
食道・咽頭-悪性疾患1
|
タイトル |
消P-21:食道癌組織におけるapurinic/apyrimidinic endonuclease-1(APE-1)発現およびCOX-2, MCP-1との相関関係の解析
|
演者 |
名児耶 浩幸(日本医大・消化器内科) |
共同演者 |
二神 生爾(日本医大・消化器内科), 河越 哲郎(日本医大・消化器内科), 小高 康裕(日本医大・消化器内科), 新福 摩弓(日本医大・消化器内科), 堀江 茜(日本医大・消化器内科), 川見 典之(日本医大・消化器内科), 岩切 勝彦(日本医大・消化器内科), 飯泉 匡(日本医大・消化器内科), 星原 芳雄(経済産業省診療所), 牧野 浩司(日本医大付属病院・1外科), 宮下 正夫(日本医大付属病院・1外科), 土屋 真一(日本医大付属病院・病理部), 坂本 長逸(日本医大・消化器内科) |
抄録 |
(目的・背景) APE-1はROS刺激に対する塩基除去修復に働くDNA修復酵素として知られている。また、同時に炎症の場においてoxidative stressによっても誘導される多機能性蛋白質である。我々は、APE-1の発現をこれまでH. pylori感染胃癌スナネズミモデルやヒト胃癌組織における発現について報告してきた(Futagami S, et al. Digestion,2009, Helicobacter, 2008)。一方でCOX-2は食道癌における予後増悪因子としても知られている。我々は、食道癌患者組織および食道癌cell-lineを用いて、APE-1の発現および発現様式を検討し、COX-2およびMCP-1発現との相関関係を検討し、ここに報告する。(方法)食道癌細胞としてKYSE220細胞を用い、MCP-1刺激下でのAPE-1発現をreal-time PCR法、western blot法を用いて検討した。また、APE-1発現がNF-kBを介し誘導されるのか検討するため、MCP-1刺激下でNF-kBのinhibitorであるMG132を用いてAPE-1のmRNAレベルでの発現を検討した。さらに食道癌患者74名を対象に、APE-1, COX-2, p65, MCP-1の免疫染色を行い発現および発現様式を検討した。(結果)KYSE220細胞においてはMCP-1刺激下でmRNAレベルおよび蛋白レベルでのAPE-1の発現量の増加を認めた。またMG132刺激下ではAPE-1の発現は減少した。APE-1は食道癌細胞の核に発現していた。また、食道癌周囲の間葉系細胞では軽度であった。MCP-1陽性食道癌患者においては、陰性患者よりも有意にAPE-1, COX-2, p65の発現量が増加していた。また、食道癌組織においてAPE-1とMCP-1, COX-2とは有意な相関関係を示していた。(結論)APE-1とCOX-2の正の相関関係の解析にはさらなる検討が必要であると考えられるが、APE-1はCOX-2同様、食道癌患者の予後増悪因子の一つと推定される。 |
索引用語 |
食道癌, APE-1 |