セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

食道・咽頭-悪性疾患1

タイトル 消P-22:

進行食道癌化学放射線治療の効果予測因子MDR1遺伝子多型の検討

演者 成宮 孝祐(東京女子医大・消化器病センター)
共同演者 中村 努(東京女子医大・消化器病センター), 太田 正穂(東京女子医大・消化器病センター), 佐藤 拓哉(東京女子医大・消化器病センター), 工藤 健司(東京女子医大・消化器病センター), 白井 雄史(東京女子医大・消化器病センター), 山本 伸(東京女子医大・消化器病センター), 井手 博子(東京女子医大・消化器病センター), 山本 雅一(東京女子医大・消化器病センター), A.H. Hölscher(Department of General, Visceral and Cancer Surgery, Center for Integrated Oncology (CIO), University of Cologne, Germany)
抄録 (はじめに)ヒトゲノムの解析がすすみ、SNPsの中に化学療法に対する薬効やToxicityの原因となりうるものが存在すると考えられている。薬物トランスポーターの1つであるMDR1 は、約170kDaの糖蛋白質であり薬物体内動態や生態防御に関与する内因性因子として注目されている。MDR1遺伝子多型C3435Tが進行食道癌患者に対する術前化学放射線治療の効果予測因子になりうるかにつき検討を行ったので報告する。(対象と方法)1997~2008年までドイツケルン大学で施行された262症例に対しTAqManアッセイによるリアルタイムPCR法によるSNPタイピングをおこない検討した。(結果)MDR1遺伝子多型はCC 19%,C/T 54%,TT 27%の遺伝子型発現頻度であった。遺伝子発現別の化学放射線治療効果では有意さは認めなかった(p=0.506)が、はリンパ節転移はTT typeでリンパ節転移陽性率は35%と低率であるのに対しCC typeでは60%,C/T typeでは46%とより高率に認めた(p=0.012)。遠隔転移はTT typeで陽性率は0%でありにその他のTypeと有意さを認めた(p=0.019)。結論:進行食道癌患者のリンパ節転移と遠隔転移を予測する上でのMDR1遺伝子多型C3435Tの解析は有用であると考えられる。
索引用語 MDR1, single nucleotide polymorphisms