セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

食道・咽頭-悪性疾患1

タイトル 消P-24:

食道背景粘膜と発癌

演者 山田 晃弘(虎の門病院・消化器内科)
共同演者 飯塚 敏郎(虎の門病院・消化器内科), 古畑 司(虎の門病院・消化器内科), 山下 聡(虎の門病院・消化器内科), 菊池 大輔(虎の門病院・消化器内科), 松井 啓(虎の門病院・消化器内科), 藤本 愛(虎の門病院・消化器内科), 中村 仁紀(虎の門病院・消化器内科), 小川 修(虎の門病院・消化器内科), 三谷 年史(虎の門病院・消化器内科), 布袋屋 修(虎の門病院・消化器内科), 貝瀬 満(虎の門病院・消化器内科)
抄録 【背景・目的】食道多発ヨード不染(まだら食道)と食道発癌の関連は明確であるが、食道粘膜の炎症と食道発癌の関連性の研究は限られている。食道粘膜の炎症には食道胃接合部(ECJ)近傍の胃酸逆流に伴う炎症と、胃酸逆流とは関連しない炎症が存在する。後者は食道全長にわたる粘膜白濁や毛羽立ちとして認識でき、食道扁平上皮癌と関連すると推測されているが、その詳細な報告はみられない。【対象と方法】2007年1月から2008年12月まで当院にて施行した食道癌内視鏡的切除症例131例(平均年齢65歳、男:女=111:20、E群)と、同時期に上部内視鏡検査を施行し、年齢と性別をマッチさせて抽出した131例(平均年齢65歳、男:女=111:20、C群)を対象とした。食道粘膜の炎症と認識できる通常観察内視鏡所見として、粘膜白濁・粘膜光沢・グリコーゲンアカントーシスを設定し、これらの所見と食道扁平上皮癌の関連性を検討した。逆流性食道炎による食道粘膜の炎症を排除するため、ECJ近傍の明らかな逆流性食道炎を有する症例は除外した。【結果】両群の患者背景において平均年齢、性別、家族歴、高血圧や糖尿病の有無に差はみられなかった。喫煙歴はE群が90例69%、C群が44例34%、飲酒歴はE群が104例79%、C群が67例51%で、E群が喫煙歴飲酒歴ともに有意に多かった(p<0.0001)。食道背景粘膜に関しては、食道粘膜の白濁有りはE群が63例48%、C群が20例15%とE群で有意に多かった(p<0.0001)。光沢感有りはE群が48例37%、C群が97例74%とC群で有意に多かった。グリコーゲンアカントーシス有りはE群が66例50%、C群が78例59%で両群に差はみられなかった。【結論】食道扁平上皮癌の発癌には、胃酸逆流とは関連しない粘膜の炎症が関与すると推定できる。食道癌の早期発見には、男性、高齢者、飲酒歴、喫煙歴といったリスクファクターに加え、通常内視鏡で観察可能な食道全長にわたる粘膜白濁や毛羽立ちといった非逆流性食道粘膜炎症も念頭に置く必要がある。
索引用語 食道癌, 食道背景粘膜